あきりんの映画生活

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「シェルタリング・スカイ」 (1980年)

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1980年 イギリス 138分
監督:ベルナルド・ベルトリッチ
出演:ジョン・マルコヴィッチ、 デボラ・ウィンガー

砂漠での愛。 ★★☆

ひと言で言えば、北アフリカを舞台にした夫婦のすさまじい愛の物語、ということにでもなろうか。
監督は、あのベルナルド・ベルトリッチ。
作品全体の雰囲気は、それはもう 「ラスト・エンペラー」 の格調高い史劇ではなくて、どろどろ愛の 「ラスト・タンゴ・イン・パリ」 の方である。

なぜか愛が冷え切ってしまった夫婦、ポート(ジョン・マルコビッチ)とキット(デボラ・ウィンガー)がサハラ砂漠へ旅行にやってくる。
文明から遠く離れた辺境の砂漠の地で、もういちど夫婦の間にあるものを確かめようとしたのかもしれない。
しかし、旅行には金持ち遊び人のタナーも同行していて、タナーはどうもキットにちょっかいを出しそうな雰囲気もある。

日常生活から隔離され、埃だらけの風景のなかでたえまなく蠅が群がり飛んでくる。
ホテルでも市場でも、粗末な食事はまずそう。
そんな状況の中で夫婦はお互いをなんとか自分にとっての大切な存在にしようとあがいているようなのだが、ざらざらとした気持ちばかりが漂っている。

そして、ポートは街の女と関係し、キットはタナーと関係してしまう。
タナーが去ったあとに、ポートとキットは広大な砂漠のただ中で愛を確かめようともする。
すべてが乾いている。

伝染病(チフス?)に倒れて高熱にあえぐポートを、キットは必死に看病する。
二人が過ごしているなにもない部屋を激しい砂嵐が襲う。
二人の気持ちもすさまじい嵐の中で吹き飛ばされそうになり、肌をこする砂粒に弄ばれている。

やがて砂漠のなかでひとりぼっちになってしまったキットは・・・。

この映画のもう一人の主役は、間違いなく”サハラ砂漠”であるだろう。
砂漠のなかにあってはじめて求めたものが何であったのかを確かめている。

とても疲れた映画でした。