2010年 アメリカ 94分
監督:ミッチ・グレイザー
出演:ミッキー・ローク、 ミーガン・フォックス、 ビル・マーレイ
大人のファンタジー。 ★★★
落ちぶれたトランペット奏者のネイト(ミッキー・ローク)は、ギャングのボスのハッピー(ビル・マーレイ)の妻との不倫のために、荒野で殺されかける。
なんとか逃げのびたネイトは、砂漠の中でたどり着いたサーカス小屋で翼を持つ美女リリー(ミーガン・フォックス)に出会う。
ここでこの映画に入り込めるか否かが問われる。
真面目に、翼のある美女が登場するのだ。
ネイトはリリーに天使か?と訊ねるのだが、彼女はただの鳥女だと答える。
羽は生えていてもリリーは上手く飛ぶこともできない。ただ翼が生えている美女なのだ。
そんなリリーを連れて、ネイトはサーカスから逃亡するが……。
ネイトは、ハッピーにリリーの情報を漏らして、代わりに自分の命を助けてもらおうとする。
ハッピーもリリーの美しさに魅せられてしまう。
リリーは、自分が我慢すればネイトの命が助かると知って、ハッピーの元に行く決心をする。
一人の美女をめぐって二人の男がそれぞれに煩悶する。
ミッキー・ロークが落ちぶれたトランペット吹きを貫禄充分に演じている。
彼も今ではこういう役が似合うようになってしまったなあ。
ヒロインのミーガン・フォックスは改めて言うこともないほどに、きれい。
ギャングのボス役のビル・マーレイが渋い。
無口だった少年時代にふざけてつけられたハッピーというあだ名は嫌いだったと言う。
しかし、今はこの名前も気に入っている、何故なら今はハッピーだから。そういって鏡の中のリリーの顔をじっと見つめる。
ギャングのボスだが、ハッピーも純粋な男だったのだ。
何やかやがあって、最後、ネイトとリリーはビルの屋上に追い詰められる。
絶体絶命、さあ、奇跡は起こるのか?
こうなるだろうという展開にはなったのだが、そこからの一瞬の映像がこの映画のすべてを語る。
そこでネイトが見た光景とは・・。
なるほど、そうだったのか。
やはりリリーは天使で、ファンタジーだったのだね。
この映画、劇場公開はなかったとのこと。
確かに傑作にはなり損ねているが、それほど悪くもないと思うのだが。