あきりんの映画生活

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「どら平太」 (2000年)

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2000年 日本 111分
監督:市川崑
出演:役所広司、 片岡鶴太郎、 宇崎竜童、 

普通のエンタメ時代劇。 ★★☆

脚本のクレジットを見て驚いた。黒澤明木下恵介市川崑小林正樹の4人の共同執筆になっている。へえ~。
しかし、物語的には特別なことはなく、ま、見慣れたエンタメ時代劇だった。

ある地方の藩には濠外という暗部地帯があり、そこを3人の悪親分衆が仕切っていた。
しかも、藩の中心をになう家老など全員がその堀外からの賄賂を受けとっていた。
(まるで今の日本ではないか、などと思う必要はないのですよ)
江戸表からその濠外撲滅にやってきたのが新しい町奉行、人呼んでドラ平太(役所広司)。

主人公が無頼を装って堀外へ溶けこみ、、その内情を探る、といったあたりは面白い展開だなと期待させた。
どことなく「椿三十郎」とか「用心棒」を思わせる雰囲気もあった。

ところが、ところがである。
やくざの下っ端にも大金をばらまいておこなったその下工作はな~んの役にもたたないのである。
ドラ平太の正体がばれて、最初からやり直し。
な~んだ。だったら最初から堂々と乗り込めよ。
(ドラ平太の正体を知った下っ端が、えっ?新しく来たお奉行様?と驚いてみせるところなど、水戸黄門そのまま。新鮮味なし 汗)。

ドラ平太を助ける同僚に片岡鶴太郎。飄々とした雰囲気で、最初から最後まで美味しい役どころだった。
もう一人の宇崎竜堂は最初からあまりにもそれらしすぎて、バレバレ。何にも驚きなし。
悪親分たちの頭に菅原文太。貫禄があるように見えるのだけれども、あまり大したことのない役どころ。生かし切れていなかったなあ。

オーソドックスといえばオーソドックス。
だから退屈はしないのだけれども、特に目新しいこともなかった。

なんでも脚本が書かれたのは昭和40年代だったとのこと。
市川崑監督はその50年前の脚本をそのままつかったのだろうか。さすがに感覚が遅れてしまったのだろうか。

なにか、惜しいなあ、という感じの作品でした。