2008年 フランス 130分
監督:セドリック・クラビッシュ
出演:ジュリエット・ビノシュ、 メラニー・ロラン
巴里を舞台にした群像劇。 ★★☆
なんでもないような市井の人々も、みんなそれぞれの人生ドラマを抱えている。
この映画はそんな普通の人々の日常を切りとって見せてくれる。
シングル・マザーのエリーズ(ジュリエット・ビノシュ)は、心臓病で余命わずかな弟ピエールを気遣って、幼子を連れて一緒に暮らしはじめる。
この二人が核となって、その周囲にいる人々がゆるい接点を持ちながら登場する。
ピエールが自宅のベランダから覗き見している向かいの大学生レティシア(メラニー・ロラン)には、“君は美しい”と書かれた匿名メールが届く。
メールの主は実は彼女の大学の教授ロランだった。
他にも、ロランの弟夫婦とか。
エリーズがよく買い物に行く市場の別れた元夫婦の露天商(並んで商いをしている)とか。
ピエールがバゲットを買いに行くパン屋の、ちょっとどうかなあと思うような女主人とか。
パリの街のあちらこちらでロケをしたよう。
だからパリに詳しい人だったら、懐かしく思える街の風景が映し出されることになる。
残念ながら1回しか訪れたことのない私には(それも何十年も前)、さっぱりわからなかった。
物語にはっきりとしたドラマ性はなく、盛り上るということもない。
彼らの人生の一部を切りとって、淡々と描写したという感じ。
なので、どんな内容だったかはすぐに忘れてしまいそう(メラニー・ロランンの美しさ以外は 笑)。
パリの街の風景と、そこに暮らす人々の雰囲気を楽しむ、そんなところでしょうか。
フランスでは結構評判だったようですが。