あきりんの映画生活

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「レクイエム 最後の銃弾」 (2013年)

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2013年 香港 134分
監督:ベニー・チャン
出演:ラウ・チンワン、 ルイス・クー、 ニック・チョン

男の友情、刑事物語。 ★★★

麻薬捜査の警察官となった3人の幼なじみ、ティン、チャウ、ワイ。
チャウは香港の麻薬組織の潜入捜査員となり、ティン、ワイと連絡を取っていた。
この映画の主題はどこまでも男の友情。それに潜入捜査員の苦悩が絡みつく。
チャウには臨月の妻がいたのだ。

とこうくれば、誰でも思い浮かべるのは香港ノワールものの傑作、あのジョン・ウー監督の「男たちの挽歌」、それにアンドリュー・ラウ監督の「インファナル・アフェア」。
この映画はこの二つのいいとこ取りをして(ポスターにもちゃんとそう書いてある 笑)、さらにジョニー・トー監督の銃撃戦をまぶしたようなもの。

捜査はさらに麻薬大国のタイへ舞台を移す。
取引の現場でタイの麻薬王ブッダもろとも組織の壊滅を目指す警察組織。
しかし、あることから組織側へ警察情報が漏れ、一大殺戮場面となる。

この場面はすごい。
警察が麻薬組織を包囲する。計画は成功かと思われるのだがそこへ、なんと麻薬組織側の武装ヘリがあらわれるのだ。
ヘリコプターから乱射する重機関銃の威力は凄まじい。
(スタローン・ランボーがいなけりゃとても太刀打ちできないぜ 笑)

ブッダの情け容赦のない追い打ちで3人のうちの1人が死に、生き残った2人にもそれぞれの苦悩が残ったのだった・・・。

と、ここまでが前半。
この映画の面白さは、実はここから先にある。
生き残ったティンは作戦の失敗責任を取らされて閑職へ追いやられ、一方のチャウは巧妙に出世していく。
そして5年後、ブッダが再び姿をあらわしそうになる。テインとチャウは・・・。

実際のところ、3人の友情の描き方にはちょっとベタすぎる部分もある。
しかし、勢いでそんなものは乗り切ってしまうぜ。いぇい!
充分に面白さを堪能できる。

出番はそれほど多くはないのだが、麻薬王ブッダの娘が結構大事な役回りをする。
非常な美形。
ところが、ところが、実はこの役者さん、ニュー・ハーフだったとのこと。えっ?

終盤の銃撃戦は、完全に美学を優先してしまっていて、リアル感には乏しい。
それはないだろ、とさすがにツッコみたくなる。
でも、まあ、いいっか。なにせ、香港ノワールだものね。

あまり細かいことは言わずに、男の友情を楽しみましょう。