あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「ホット・ロック」 (1971年)

イメージ 1

1971年 アメリカ 105分
監督:ピーター・イエーツ
出演:ロバート・レッドフォード、 ジョージ・シーガル

盗みのプロ集団がダイアを追いかける。 ★★☆

依頼を受けた盗みのプロ(ロバート・レッドフォード)は仲間を集めて博物館からダイヤを盗み出そうとする。
ところが、ある失敗からそのダイアは刑務所の中にいき、警察署の中に行き、銀行の中に行き、と、二転三転し、主人公たちはダイアを求めて、仲間を脱獄させ、警察を襲い、銀行に入り込み、と、何度もチャレンジを続ける。

コメディ・タッチがあり、仲間は<良き仲間>で、当節のような裏切りなんて行為とは全く無縁。
同じレッドフォードが仲間と一緒に盗みを計画する「スニーカーズ」は、この映画の20年後に作られているが、似た雰囲気。

ストーリーがどんどん進むので、見ている側はなんども美味しいということになる。
しかし、ひとつひとつの展開はあまりピリッとしていない。
時代が時代なので、盗みの手口もどこかのんびりしている。
だから退屈はしないのだが、今観て傑作かと言われると、ちょっとなあ、という感じ。

主人公たちが警察署を襲うべくヘリコプターでNY上空を飛ぶシーンがあるが、なんと、建設中のあの国際貿易センター・ビルが映る。38年も前の映画だから、そういうこともあるわけだ。
首をかしげてしまうのは、最後に銀行からダイアを奪う手段。あれはこういった<盗みもの>では反則技だろうと思ってしまう。そりゃ一度しか許されないよ。

登場人物としては、仲間の一人の父親の弁護士が出てくるが、これが怪演。息子を偽性にしてでもダイアを奪ってやろう、という強欲ぶりで、本当に憎たらしい。
裏切られた息子が父親に向かって叫ぶ言葉は、「もう日曜日の朝食を一緒に食べないからね」。
見殺しにされそうになってのこの言葉、泣けてくるね。

エンターテイメントとして決して悪くはなく(最後もほのぼの)、及第点は十分にクリアしている。
しかし、ちょっと生ぬるさが残るエンターテイメント。
家族でのんびりと観ましょう、というところかな。
クインシー・ジョーンズの音楽はさすがだった。