あきりんの映画生活

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「拳銃の報酬」 (1959年)

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1959年 アメリカ 96分
監督:ロバート・ワイズ
出演:ロバート・ライアン、 ハリー・ベラフォンテ

3人の男の銀行強盗もの。 ★★

最後のフィルム・ノワールとして評価の高い作品。
モノクロの寒々しいニューヨークの街並みを捉えた映像は印象的。
しかし、さすがに感覚は年代の古さを感じさせる作品だった。

免職された元警官のバーク(エド・ベグリー)は銀行強盗を計画する。
仲間は二人必要、そしてその中の一人は黒人である必要がある。
銀行の裏口を開けさせるために、夜食を運んでくる黒人配達人に化ける人間が必要だったのだ。
そこで彼は、前科者のスレイター(ロバート・ライアン)と黒人のクラブ歌手イングラムハリー・ベラフォンテ)を仲間にしようとする。

銀行強盗ものだが、3人の男のそれぞれの人生ドラもていねいに描いている。
スレイターは情婦の紐に甘んじている自分に自己嫌悪を感じて苛立っているし、イングラムは賭け事の借金で家族が危険な目にあおうとしている。
皆、のっぴきならない事情を抱えている。
しかし、黒人蔑視の塊のようなスレイターと黒人のイングラムはいざこざばかり起こしている。
こんな3人で銀行強盗は成功するのか?

イングラムを演じているのがあの歌手のハリー・ベラフォンテとは知らなかった。
ベラフォンテといえば我々の世代には、「デーオ、イテテエオ、~コンメタハリマン、タリリバナーナ」である(若い人には何のことかわからない 笑)。

実はこの映画を観ようと思ったのは、音楽がモダン・ジャズ・カルテット(MJQ)のジョン・ルイスだったから。
しかし、演奏はオーケストラとなっており、ルイス自身はピアノを弾いていないとのことだった。
代わりにピアノを弾いていたのは、なんとビル・エヴァンスとのこと。へえ~。
だからCDになっているMJQの「オッズ・アゲインスト・トゥモロー(「拳銃の報酬」の原題)」は、映画の中の曲を演奏しているのだが、サントラではない。

さて映画である。
銀行強盗は些細なことから失敗に終わり、警察との撃ち合いとなる。
そして最後まで反目しあったスレイターとイングラムの二人は・・・。
二人にはそれぞれに待っている情婦や家族がいたのだが。

なるほど、あの頃のフィルム・ノワールはこういう感じだったのだな。
どこまでも重くまとわりつくやりきれなさが漂っていました。