2007年 アメリカ
監督:ロバート・レッドフォード
出演:トム・クルーズ、 メリル・ストリープ、 ロバート・レッドフォード
政治もの。 ★★
湾岸戦争のとき、さまざまな立場の人物がどのように行動したか、を3つのエピソードで描いている。
正義感、あるいは価値観の違いなのだが、ほとんどが会話ですすむ。
だから抑揚には乏しい。そういう映画だという覚悟はいる。
次期大統領の候補である上院議員アーヴィング(トム・クルーズ)は、ニュース番組担当のロス(メリル・ストリープ)に持論を熱く語っている。
もちろんマスコミ操作を企んでいる。
もちろんロスもそれは承知の上。政治と報道は持ちつ持たれつ?
そしてベトナム戦争経験のある大学教授の政治学者マレー(レッドフォード)は、怠惰な学生に優秀な二人の学生の話をしていた。
その彼らはアーヴィングが立案した作戦にしたがって、戦地であるアフガニスタンで戦っていた。
物語はこのような三場面が交互に描かれていく。
つまり、湾岸戦争での失敗はなかったと言い張り、再び同じような過ちをおかそうとしている議員。
それに疑問を抱きながらも報道しきれないジャーナリスト。
そして戦争の意味を追求しようとして実際に命をかけている青年たち。
監督も務めているレッドフォードが問題提起したかったということはわかる。
トム・クルーズの高慢で嫌みな議員、メリル・ストリープの気持ちが揺れ動く報道人、など、さすがの演技でもある。
しかし、正直なところ、映画は抑揚に乏しく平板な出来だった。
とこう書いてくれば、最近のある映画を思い浮かべることになる。
そう、同じメリル・ストリープが報道人の矜持を持って政治と対決する、あの映画である。
さて、あの監督はこういった問題をどんな風に提起した?
次はその映画の感想を。