あきりんの映画生活

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ONCE ダブリンの街角で

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2006年 アイルランド
監督:ジョン・カーニー
出演:グレン・ハンサード、 マイケル・イルグロヴァ

音楽で通じ合った二人の物語。 ★★☆

始めにお断りだが、私はジャズとサウンド・トラック以外の音楽はほとんど聴かないので、街中での若者の演奏が、はたして上手いのか下手なのか、よくわからない。
つまり、ストリート・ミュージックにあまり関心がない。
だから、この映画の一番の香りは私には感じとれていないだろうと思う。

物語としては、ダブリンの街角でストリート・ミュージシャンとチェコ移民の女性が出逢い、協力してデモ・テープを作る、という淡々としたもの。 
男は、妻を亡くした父のために家に戻っており、女は夫と別居して子どもを一人で育てている。

二人はお互いの音楽に惹かれあってお互いを認める。
音楽によって結びついた市井のの二人なので、二人には名前も付けられていない。クレジットでも、単に「ガイ」「ガール」と表記されている。
作中で二人の歌が何曲も流れる。
主役の二人の本業は、それぞれアイルランドでは有名なミュージシャンだとのこと。

デモテープを作るために借りたスタジオのエンジニア、はじめは主人公たちのバンドを馬鹿にしたような態度だったが、曲を聴いて、驚いた、すごいよ、と言ってくれる。
観ている者も良かったなと思える。
明け方に、カーステレオで聞くためのドライブにも一緒に行くし。いい人だった。

主人公たちのさりげない別れもすっきりしている。
男はできあがったデモ・テープを持ってロンドンへ旅立つし、女の元へは夫が戻ってくる。

どろどろした感情が全くありません。
絵で言えば水彩画のような、透明感のある感触の映画でした。