2003年 アメリカ
監督:ジェームズ・フォーリー
出演:エドワード・バーンズ、 レイチェル・ワイズ、
ダスティ・ホフマン、 アンディ・ガルシア、 ポール・ジアマッティ
騙しあいのコン・ゲームもの。 ★★★
詐欺師のジェイク(エドワーズ・バーンズ)が仲間と組んでまんまとせしめた大金は大物キング(ダスティ・ホフマン)のものだった。そこでジェイクはキングにわびを入れるために、女性スリ・リリー(レイチェル・ワイズ)も仲間に入れて、銀行からの大金詐欺を行うことになる。
なんといっても豪華な顔ぶれがまずは嬉しい。
無精ひげのダスティ・ホフマンの存在感がすばらしいし、後半には執拗にジェイクをつけねらう捜査官としてアンディ・ガルシアも登場してくる。
こういったコン・ゲームものでは、騙しの計画がどのように上手くすすむのか、あるいはどこで破綻するのか、そのスリルを味わうということになる。
だから、どうやって騙すのか、その方法が観ている者によく提示されていないと面白みはまったく出てこない。
この映画では騙しは2回行われる。
まず冒頭の騙し。これは鮮やかにきまり、観ている者は、そうか、そういうお膳立てでやったのか、お見事、とまず充分に納得する。
クライマックスとなる2回目の騙しが同じように行われたのでは仕方がない。
そこで工夫が入る。2回目の騙しが破綻し、主人公のジェイクが殺されそうになっている場面から物語が始まっているのだ。
そこからの回想というかたちで映画がすすむ。どのような計画が立てられ、何故、それが破綻したのかが明かされていく。
これは非常に上手い作り方で、緊張感を持続させている。観ている者は、こんなに上手く計画がすすんでいるのにどこかで破綻するのだということを知って観ているのだから。
そしてジェイクが殺されそうになっている冒頭場面にたどりついたところから、クライマックスへと物語がすすんでいく。
誰が共謀していて、誰がサクラで、誰が騙されようとしているのか、二転三転の騙しあいが続き、最後まで飽きることはない。
コン・ゲームとして充分に面白い作品となっている。
しかし、コン・ゲームといえば、あの名作中の名作「スティング」! あれを越える作品は、やはりなかなか出てこないなあ。