2007年 カナダ 109分
監督:フランソワール・ジラール
出演:マイケル・ピット、 キーラ・ナイトレイ、 芦名星
国を超えたラブ・ストーリー。 ★★
日本・カナダ・フランス・イタリア・イギリスの合作映画とのこと。
撮影現場ではどうやって会話をしたのだろう? みんな英語が堪能だった?
舞台は19世紀のフランス。
兵役から戻ったエルヴェ(マイケル・ビット)は、小学校教師のエレーヌ(キーラ・ナイトレイ)と恋に落ち、結婚する。
その頃、村の産業である製糸工場は蚕の流行病で大打撃を受けていた。
工場で働いていたエルヴァは良質な蚕の卵を求めて遙か東の日本へ旅立つことになる。
いい加減な情報で観始めたものだから、あれ?主役がブラピじゃないぞ?
そうなのです、マイケル・ビットとブラッド・ピットを間違えていたのでした(苦笑)。
ま、キーラ・ナイトレイが出ているからいいや。
さて、東の果ての国の日本への旅だが、これは当時としては大変に危険を伴う旅程だったようだ。
真冬のフランスから鉄道を乗り継いでロシアへ。キエフからは雪橇を乗り継いでウラジオストクへ。そこからは密航船で日本海を渡ってくるのだ。
日本の描き方は、どこか若干の違和感もあるのだが、まあ許容範囲内。
幕末の時代。エルヴァはやっとのことで蚕業者・原十兵衛(役所広司)が治める村へやって来る。
そこでエルヴェは、十兵衛の妻(芦名星)に出会う。
彼はたちまち彼女に惹かれ、彼女もまた意味ありげな素振りを見せたのだ。
この映画はどうもすべてが曖昧なままに進んでしまう。
そこが何とも感情移入のしずらいところ。
何もしゃべらない芦名星演じる女性にエルヴェが惹かれる理由がまず判らない。
彼女は奇妙な作法でお茶を出したり、客の前でいきなり夫の膝を枕にして横になったりする。
フランス人が考える神秘的な日本女性って、こんなもの?
とにかく彼女のことが忘れられないエルヴェは、二度、三度と日本への旅をする。
夫が別の女性に心を奪われていることをエレーヌも気づいてしまっているのだ。
そう、この映画は不実に走った夫をそれでもなお愛し続けた妻の物語として観ることができる。
(以下、ネタバレ)
日本語で書かれた愛を告白する手紙は、実は亡くなったエレーヌが書いたものだった。
この手紙を読んで夫は自分から去ってしまうのか、それとも自分の元へ帰ってきてくれるのか・・・。
美しい音楽は坂本龍一。
しかし、映画自体は魅力のポイントがずれているようで、入りこめないままだった。