あきりんの映画生活

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「ある公爵夫人の生涯」 (2008年) これは、まるであの人のことのよう・・・

2008年 イギリス 110分 これは、まるであの人のことのよう・・・
監督;ソウル・ディブ
出演:キーラ・ナイトレイ、 レイフ・ファインズ、 シャーロット・ランプリング

実在の女性の史劇。 ★★★

 

舞台は18世紀後半のイギリス。。
スペンサー家の令嬢ジョージアナ(キーラ・ナイトレイ)は、名門貴族であるデヴォンシャー公爵(レイフ・ファインズ)と結婚する。
美しく聡明なジョージアナはたちまち社交界の花形となり、ロンドン中の注目の的になる。

 

これは、17歳でデヴォンシャー公爵夫人となった実在の女性ジョージアナを描いた歴史ドラマ。
傍目には華やかで幸せそうにみえる彼女。
しかし、その実生活は冷徹な夫との辛い結婚生活だったのだ、ほら、あの人のように・・・。

 

デヴォンシャー公爵は、妻が後継者の男子を産むことを何よりも望んでいる。
言ってみれば、そのこと以外に妻には興味を抱かない。妻は愛情の対象ではなく、ただ男児を産むための存在なのだ。
自分は夫に愛されていないと痛感させられ、暗澹たる日々を送るジョージアナ。

 

これは辛いよなあ。
キーラ・ナイトレイは華やかで美しい。彼女の出演映画で一番美しいのではないだろうかと思えるほど。
こんなに美しい妻をどうして公爵は愛さないのだ? 

 

社交界の華として人々の羨望を集めながらもジョージアナは孤独だったのだ。
ジョージアナはある人から言われる、貴女は全国民から愛されている、ただ一人、夫を除いて・・・。
あの人も多くの国民から愛されていたのに、夫からは愛されていなかった。夫の愛は別の女性に向けられていた。

 

ジョージアナは出産するのだが、女の子だった。すると公爵は一瞥もくれないのだ。
なんという男だ。レイフ・ファインズ、見損なったぞ(汗)。
そんな彼女はエリザベスという女性と知り合い、その友情に支えられていく。

 

しかし、なんということ、公爵はそのエリザベスを愛人にしてしまうのだ。
そのことを公然のこととして、公爵夫妻とエリザベスの3人での生活が始まるのだ。
細長い食卓を囲んでの食事も3人で取るのだ。何とひどいことを・・・。

 

自分を省みない夫の愛人との生活に耐えかねたジョージアナは、再会した旧友グレイの愛に応えてしまう。
不倫をしたジョージアナを責めるのは容易い。でも、その原因は夫にあったのではないだろうか。あの人の場合のように・・・。

 

ジョージアナの生家であるスペンサー家は、実際にあの故ダイアナ妃の生家でもある。
言い古された言葉だが、運命のいたずらを感じてしまう。

 

(史実なので、物語の展開を最後まで書いてしまう)

 

グレイとの愛を貫こうとしたジョージアナだったが、娘との別れには耐えられず、彼との別れを選ぶ。
しかし、そのときすでに彼女は妊娠していたのだ。生まれた子どもはすぐにグレイ家に引き取られていく。

 

その後も公爵夫妻とエリザベスは3人で暮らし、ジョージアナの死因は語られていなかったが、彼女の死後に侯爵はエリザベスと再婚したとのこと。へえ~。
侯爵は妻の死後に愛人と再婚したんだ、まるで同じではないか!

 

ジョージアナと別れたグレイは別の女性と結婚し、のちにイギリス首相になったとのこと。
いやあ、すごい生涯を送った女性がいたのだな。
キーラ・ナイトレイの美しさにも惹かれて、最後まで一気見だった。