監督:ルイ・ルテリエ
出演:ジェシー・アイゼンバーグ、 マーク・ラファロ、 メラニー・ロラン
知的銀行強盗。 ★★☆
イリュージョンとは大がかりな仕掛けを使ったマジックのこと。
日本で言えば引田天功が一番有名かもしれない。とにかく大がかりで大げさなやつ。
この映画は、そのイリュージョンを目くらましにして銀行強盗を働くというもの。
主役は4人のスーパー・イリュージョニスト。
カード・マジックはもちろんのこと、縛られた鎖からの脱出をしたり、どんな鍵でもあけてみせたりする。一人は人の考えを読み取るメンタリストだったりもする。
さてこの4人は大観衆が見守るラスベガスのステージで、遠く離れたパリの銀行から大金を盗み出す。
どうやったのだ? もちろん、FBIやインターポールが調査に乗り出す。
冒頭でジェシー・アイゼンバーグが、覚えたトランプをあてますよというマジックをしてみせる。
客の一人が覚えたカードを見事に当てるのだが、なんと、そのカードは映画を観ていた私が何気なく覚えたカードと一緒だった。えっ?
なにか画面に映すときにそのカードだけ印象に残るような細工がしてあったのだろうか?
4人のマジシャンには、マジックを提供する黒幕がいた。その正体は彼ら自身も知らなかったのだけれども。
そしてその黒幕にはイリュージョンを使ってある人物に復讐を果たそうとしていたのだ。
その相手とは? 黒幕とは?
実際のところ、この復讐譚自体は少し無理があるようにも思えた。
”アイ(eye)”というマジック界の組織も、どうも説明不足。これ、何?
なにもわざわざ、といった感じがしないでもないのだが、それを言ったら映画にならない(笑)
ま、そんなことはさておいて。
インターポールの調査官であるメラニー・ロランがきりっとしていて好かった。
それに、モーガン・フリーマンやマイケル・ケインといった大物も出演している。
さすがに存在感がある。
マジックというのは、観る側にこうだろうという思い込みがないと成功しないという。
なるほど、と思う。
これはこうだから、こんな事はあり得ない、と思っていてくれなければ、それを覆してみせたときの驚きもないわけだ。
だからこの映画は、どうせ映像であり得ないトリックを映してみせているだけだろ、と思ってしまっては、面白さを楽しめません。
騙されて楽しむ映画です。