あきりんの映画生活

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「レインメーカー」 (1997年)

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1997年 アメリ
監督:フランシス・フォード・コッポラ
出演;マット・デイモン、 ダニ・デビート、 ジョン・ボイド、 クレア・デインズ

青春法廷もの。 ★★★☆

 

原作はジョン・グリシャムの「原告側弁護人」。ということは、物語の骨格はしっかりしているはず。
監督は当たり外れの多いフランシス・フォード・コッポラ(失礼!)。この映画ではどうか?

 

結論から言って、ストーリーには既視感があるものの、正統な法廷もので見せてくれた。
俳優陣も好い。
若くて初々しいマット・デイモン。同じ年にはあの「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」も後悔されていた。
相棒となるダニー・デビートがコミカルながらも、有能な助手としてよくやってくれるのだ。

 

司法試験に合格したばかりのルーディは、ちょい悪なのだけれども親分肌のボス(ミッキー・ローク)の弁護士事務所で働き出す。
司法試験に落ちまくっている同じ事務所のデック(ダニー・デヴィート)はこの世界の裏表を知り尽くしてる好き相棒。
ここでルーディは、保険会社に保険金支払いを拒否され治療を受けられない白血病患者の一家を受け持つことになる。

この相手となる保険会社が大悪者。
とにかく甘い言葉で困っている人に契約させるのだが、いざ保険金の支払い請求がきてもことごとく拒否するのだ。
そして請求の何分の一かの和解金を払えば訴訟されることはないという算段なのだ。

 

しかし、保険金がもらえなかったばかりに骨髄移植の費用が払えずに死んでゆく息子のために、この保険会社を訴えた母親がいたのだ。
さあ、ルーディもデックの助けを借りて頑張るぞ。
保険会社が雇っているのは大手事務所の辣腕弁護士・ドラモンド(ジョン・ヴォイト)。
ヴォイトがまた憎たらしいぐらいにこちらの弱いところを付いてくる。

法廷ものは記録や証言などの証拠をいかに上手く活かすか、そして陪審員の気持ちをいかに自分の側へ惹きつけるか、このやりとりが醍醐味である。
さすがにグリシャム原作だけあって緩むことはなく、裁判は進む。
それにしても、判事の性格、心情で裁判もずいぶんと左右されることにはびっくり。
それ、いいの?

 

メインの物語と平行して、ルーディが心惹かれたDVに悩む女性ケリー(クレア・ディアンズ)を助ける話が絡む。
こちらの物語にはあれあれというような展開もあったのだが、これ、余分だったのではないだろうか。
悪徳保険会社相手の戦いに絞った方が好かった気がするのだが、どんなものだろう。

 

タイトルの「レインメーカー」というのは、依頼人に大金の雨を降らす弁護士、といった意味らしい。
今回のルーディは裁判には見事に勝つのだが、レインメーカーには結局はなれなかった。
しかし新しい道への第1歩を踏み始めた。
気持ちの好いエンディングだった。