2017年 アメリカ 107分
監督:ジェフリー・ナックマナフ
出演:キアヌ・リーブス、 アリス・イブ
アンドロイド、そしてクローン。 ★★☆
愛する妻が、愛する子どもたちが死んでしまったら、どうする?
そしてもし、死んだ彼らを再生できる方法を自分が持っていたら、どうする?
感情と倫理観がせめぎ合うなあ。
フォスター(キアヌ・リーブス)は神経科学者で、彼の死んだ人間の意識をコンピュータに移す実験はほぼ成功していた。
そんなある夜、自分が運転していた自動車の事故で妻と3人の子どもたちが死んでしまう。
一人生き残ったフォスターは呆然と家族の遺体を見つめる。
さあここから、マッド・サイエンテスト(!)となったフォスターの暴走が始まるぞ。
フォスターは渋る研究者仲間を無理矢理協力者にしてしまう。
彼はクローン再生の技術を持っていたのだ。
研究所の高価な機械をこっそりと持ち出して、ファスターは家族の身体をクローンで再生してしまうのだ。
日々、培養タンクの中で何かが育って人の形になってきたぞ。
この作品では、クローン再生された人はその細胞を採取した時点の身体で蘇る。
つまり妻は亡くなったときの妻の姿として、幼い子どもたちはその時の年齢の姿で。
これはかなり都合がいい設定ではある。何年も待たずにお話はスムースに続く(笑)。
(余談になるが、ウィル・スミスの「ジェミニマン」ではクローン再生された人は新生児だった)
肉体はクローンとして再生できたとして、その人の心や記憶はどうなる?
ここでフォスターの研究が生きてくる。
死者から取りだした記憶などをクローン人間に移すわけだ。
すると、妻は、あら、私は眠っていたのかしら。ドライブに出かけた夜(要するに事故に遭って死んだ夜、です)から後のことを覚えていないわ。
映画は愛する家族のために暴走する科学者だけでは盛りあがらない。
そこで、ちゃんと悪者も登場する。
フォスターに研究をさせていた会社は実は・・・。そしてその研究の真の目的は実は・・・、ということになっていくのだ。
実際のところ、ここまでくると、とってつけたような展開で、ええっ?となってしまう。
これまでのサスペンスものでもよくあるパターンと言ってしまえば、それまでのこと(苦笑)。
ツッコミどころはいたるところにある映画ですが、そんなことには目をつぶって楽しみましょう。
エンディングでは南の楽園でフォスター一家の幸せそうな姿が映る。
浜辺の向こうからやって来るのはゾーイじゃないか。
ゾーイも再生できたのだね、好かった好かった・・・。
しかし、本当にこんなことで好いの? お気楽すぎじゃないの?