2006年製作/98分/アメリカ
監督:アレハンドロ・アグレスティ
出演:キアヌ・リーブス、 サンドラ・ブロック
時を超えたラブ・ストーリー。 ★★★☆
チョン・ジヒョン主演の同名韓国映画のリメイク作。
オリジナル作が好きだったので、これはどうしようかなと長らく観ないでいた。
でも主演の二人はひいき筋だし、やはり観ておこうか。
今作のキアヌ・リーブスとサンドラ・ブロックは、もちろん「スピード」で共演した二人である。
あの映画の時は共に30歳だった。それから12年が経ち、42歳同士の二人が再び共演したわけだ。
女医のケイト(サンドラ・ブロック)は、転職のために湖岸の家からシカゴへ引っ越すことになった。
家の前に立つポストに次の住人へ手紙を残すと、次の住人である建築家アレックス(キアヌ・リーブス)からの返事が来る。
しかし、何かがおかしい…。貴方はどこにいるの?
映画が始まってすぐにそのおかしさの正体は明かされる。
手紙のやりとりをしている二人の間には2年の時間差があったのだ。
ケイトがいるのは2006年、アレックスがいるのは2004年の世界だったのだ。
そのポストは時間を超えて手紙を届けていたのだ。
そんな馬鹿なことが、といぶかしがるアレックスに、ケイトはその年は秋に雪が降るから風邪を引かないようにね、と(2年後の世界から)手紙をよこす。
この季節に雪が降るなんてそんな馬鹿な、と思っていたら、あれ、雪だ!
こういったところが好いなあ。タイム・トラベルもの、タイム・スリップものが好きな私は嬉しくなる。
ケイトとアレックスの様子が交互に映されていくのだが、観ている者は少し考えながら観ることになる。
え~と、これはケイトはこうしたけれど、これはアレックスにとっては2年後のことだから、彼はまだ知らないんだよね・・・。
アレックスがこうしたのは、ケイトにとっては2年前のことだったんだよね・・・。
手紙のやりとりでお互いに好意を抱き始める二人だが、なかなか逢うことは難しい。
ある日、ケイトは明日シカゴのこのレストランで逢いましょう、とアレックスに手紙を出す。
ケイトにとっては翌日だが、彼にとっては2年後になるわけだ。
よし、2年後のその日だね、絶対に忘れずに行くよ、とアレックスも約束する。
しかしその日、待ち続けるケイトの元へアレックスはついに現れなかったのだ。
どうして彼は来なかったの?
交流する主人公たちがいる世界の時間が実はずれている、という設定で思い浮かべるのは、最近の映画では邦画の「きみの名は。」があった。
しかし私は、ハム無線が時間を超えて声をつなげる「オーロラの彼方へ」を思い浮かべた。
あれも面白い映画だった。
(以下、完全ネタバレ)
待ち合わせをしていたその日に、実はアレックスは事故に遭って亡くなっていた。
そのことを彼の弟から聞いたケイトは急いで手紙を書く、絶対に待ち合わせ場所には来ないで!
ケイトの、危険を知らせる手紙によってアレックスは死を免れることができた。
そして2年後の今日、今度こそ二人は出会う。
好かった、好かった。気持ちが和むよいハッピーエンドだった。
これ、多次元世界、今の流行言葉で言えばマルチバースだよね。
もうアレックスの弟が「兄は亡くなりました」とケイトに告げる世界ではないんだよね。
でも、ケイトは弟からその言葉を聞いてから2年前のアレックスに警告の手紙を書いたはず。
あれ? どうなっているんだ?
タイム・パラドックスは面白いなあ。
キアヌ・リーブスとサンドラ・ブロックのほのぼのとした雰囲気もよかった。
チョン・ジヒョン版ももう一度観てみようかな。