あきりんの映画生活

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「ハリーの災難」 (1955年)

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1955年 アメリカ 99分
監督:アルフレッド・ヒッチコック

サスペンス・コメディ。 ★★★

 

登場人物はちょい役の脇役も入れて10人ほど。
田舎町で起こった死体をめぐるコメディで、コンパクトにまとまっている。

 

元船長のアルバートは狩猟が趣味。
この日も丘で狩猟を楽しんでいると、あれ、人が死んでいる。私が誤って撃ち殺してしまったのか、どうしよう・・・。
死体を隠してしまおうかな・・・。

 

と、そこにやってきたグレブリー夫人。
死体を見て驚くこともなく、アルバートと一緒に死体を隠そうとする。
実は、その男が急に襲ってきたので夫人は靴のかかとで殴ったのだった。
私が殺してしまったのかしら。

 

人里離れた丘の上なのに、死体を隠そうとすると、次々に人がやって来る。
単純に可笑しい。
読書をしながら散歩してきたドクターは、死体に躓いて転ぶのだが、そのまま行ってしまう。
絵描きのサムは、死体を見て何故か死顔をスケッチしはじめる。
死体の靴を盗む浮浪者もやって来る。

 

やがて死んだ男が村の美人妻ロジャースの夫のハリーだったことがわかる。
長く不在になっていたハリーが突然現れて、私が殴ったらふらふらと出て行ったのよ、とロジャーも告白する。私が殺したのかしら。

 

いったいハリーを殺したのは誰なんだ?
こうなりゃみんなで協力して死体を埋めてしまおう。うんうん、それがいい。

 

こうしてハリーの死体を埋めてしまうのだが、このあともドタバタと騒動が続く。
ハリーの死体は掘り返されたり、また埋め戻されたり。
おいおい、もう夜が明けてしまうぞ。
ホント、ハリーの死体にしてみれば、とんだ災難(苦笑)。

 

季節は秋。丘の木々はきれいに色づいている。
その風景のなかで、どこまでも善良で小心な人々が騒動を繰り広げる。
タイトルも粋で、最後まで小洒落た感じで面白く観ることができます。

 

ハリーの奥さん(ロジャース)役のシャーリー・マクレーンは本作が映画デビューだったとか。
あれ、ヒッチコック監督はどこに出ていた?