あきりんの映画生活

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「戦略大作戦」 (1970年)

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1970年 アメリカ 144分
監督:ブライアン・G・ハットン
出演:クリント・イーストウッド、 テリー・サバラス、 ドナルド・サザーランド

戦略ネコババ大作戦。 ★★☆

 

邦題は酷い。内容とまったく合っていない。
この邦題では「史上最大の作戦」とか「バルジ大作戦」とか、そういった本格戦争物(?)をイメージしてしまう。
ところがこれは、戦争のどさくさにまぎれて、はみ出し野郎たちが金塊を猫ばばしようというエンタメ映画である。

 

大戦中のヨーロッパ戦線。
ドイツ軍の1400本の金の延べ棒を隠しているとの情報を得たアメリカ兵のケリー(クリント・イーストウッド)。
しめしめ、よし、こいつをいただいてしまおうぜ。
しかし、その場所はまだドイツ軍が占領している街の銀行。
どうやって金塊をネコババする?

 

味方を誤爆したということで中尉から二等兵に格下げされたケリーは、小隊長のジョー(テリ・サバラス)を仲間に引き入れる。
親分肌のジョーは粗野だが部下思いの面もある。
ただただ格好好いケリーに比べると、キャラはよほど立っている。

 

敵の占領地を攻めるんだから、それなりに仲間が必要だぜ。
ということでジョーが率いる小隊にプラスして、経理担当の奴や、戦車小隊まで仲間になる。

 

この3台の戦車の隊長のオクドバルにドナルド・サザーランド
砲身を一回り太く見せるカバーを掛けて強く見せかけたり、進軍の時には大音量で音楽を流して敵を威圧したり(そのための大型スピーカーも取りつけている)、どこかぶっ飛んでいる。
イーストウッドは絶対に演じないような変人奇人の類だなあ(笑)。

 

途中では敵軍との壮絶な戦闘場面もある。
また地雷原を匍匐前進する場面もある。
ちゃんと戦争映画なんだ。

 

さて、いよいよ金塊が隠されている街まで攻め込んだが、なんとドイツ軍のタイガー戦車3台が守っている。
こちらはシャーマン戦車3台。とても勝ち目はないぞ。
どうもタイガー戦車というのは最強で、砲撃能力も装甲能力もシャーマン戦車の比ではなかったようだ。
(この戦車同志の闘いの映画がブラピの「フューリー」だった)
どうする?

 

イーストウッド、サバラス、サザーランドの3人が、ドイツ兵に取引を持ちかけるために、タイガー戦車の前に歩いて行く。
おお、この場面はマカロニ・ウエスタンの一場面のようではないか。
イーストウッド映画ならではの場面だなあ。

 

ついにケリーたちはまんまと途方もない量の金塊を手に入れて、意気揚々と引き揚げていく。
それも、壊れたシャーマン戦車を捨てて、敵からから奪い取ったタイガー戦車に乗り換えて、だ・・・。

 

全体にコミカルな味付けのエンタメ映画でした。
しかし戦闘場面は本格的なものでした(主役には敵弾が当たらないというお約束付きですが 苦笑)。
声高に反戦とかをいっている映画ではありませんが、戦争の馬鹿馬鹿しさを皮肉っている内容にもなっていました。

 

(以下、蛇足)
あるコメントで、この邦題は当時ヒットしていた「スパイ大作戦」に引っかけたのかもしれない、とあった。
なるほど、そう考えるとこの的外れのように思える邦題も肯ける。

 

もうひとつ。
DVDには映っていなかったのだが、オリジナルの映画では、最後の場面には上空をアメリカ軍戦闘機が飛んでいたとのこと。
ひょっとすると、タイガー戦車に乗りこんだケリーたちはこのあと誤爆されたのでは?という含みがあったようだ。
そういえば、ケリーは味方への誤爆の責任を取らされて二等兵に降格されていたのだったな。
今度は誤爆された?