2002年 アメリカ
監督:カール・フランクリン
出演:アシュレイ・ジャッド、 モーガン・フリーマン
軍事法廷もの。 ★★★☆
弁護士のクレア(アシュレイ・ジャッド)は、夫トムと幸せな毎日を送っていた。
しかし、自宅に侵入した泥棒の捜査過程で採取した指紋から、夫トムは実は別人であることが判明する。
そしてトムはロナルド・チャップマンという人物だとしてして海兵隊に捕らえられ、軍事裁判を受けることになる。
こういう法廷ものは好きである。
証拠を集め、それを論理的に解釈して、事件を少しずつ明らかにしていく。
弁護側と検事側が組み立てた論理と推理をぶつけ合う。何が真実で、どちらの言い分が正しいのか。
さて今回の事件。
トムは海兵隊の特殊工作員時代にエル・サルバドルで一般市民を虐殺した罪を問われたのだった。
トムがそんな非道なことをするはずがない、トムを信じるクレアは自らトムの弁護をおこなうことにする。
しかし、軍事法廷は特殊なのだよ。一般の裁判とは違うのだよ。
どうもトムは、軍の重大秘密を守るために利用されたようなのだ。
上官の命令を受けた何者かがその証拠を消すために残虐行為をおこない、その罪をトムに被せようとしているのだ。
私の愛するトムは陥れられたのよ。何とか弁護しなくては。
親切を装ってクレアに脅しをかけてくる元同僚もいる。
トムと同じ部隊にいたというし、どう見てもあいつが怪しいよなあ。
クレアは元軍人の弁護士チャーリー(モーガン・フリーマン)の助けを借りて、軍事法廷に臨むことにする。
アシュレイ・ジャッドは、「ダブル・ジョパディー」での自分を罠に嵌めた夫への復讐を果たす女性像が印象的だった。
あの映画もよくできた法廷ものだった。
この映画で彼女を助けるモーガン・フリーマンは、さすがの存在感。
この人が出てくれば、絶体に何とかしてくれるという安心感がある。そういう役どころのイメージが固定してしまっている。
それ、本人にとっては、好いこと?
それはそれとして、バイクを乗り回すフリーマンは格好良かった。
エル・サルバドルでの事件にはもうひとつの裏もあった。
それをネタに、クレアはついにトムの告訴取り下げを勝ち取る。
やったね。
しかし、本当に活躍したのはやはりチャーリーだった。
クレアよ、まだまだお主、若いのお。
(以下、ネタバレ)
似た展開を見せた法廷ものといえば、「真実の行方」(1996年)。
弁護士役のリチャード・ギアもよかったが、あの映画ではなんと言っても新人のエドワード・ノートンだった。
必死に弁護をしてやっと裁判に勝ったのに・・・、という展開は、あの映画が元祖だった気がする。
この映画は、残念なことに世評はあまり良くなかったようだ。
最後のどんでん返しは、こうなるだろうと思いながら観ていた人が多かったとのこと。
ま、映画だから単純に終わるはずもないからね。
でもアシュレイ・ジャッドがお気に入りの私は満足して観た。
アシュレイ・ジャッドの目元は、一昔前のアンジーに似ているのだ(苦笑)。