あきりんの映画生活

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「花の生涯 梅蘭芳」 (2008年)

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2008年 中国 147分
監督:チェン・カイコー
出演:レオン・ライ、 チャン・ツィイー

京劇の伝説の女形。 ★★★

 

さらば、わが愛/覇王別姫」でパルムドール賞を獲ったチェン・カイコー監督が、再び京劇をテーマにして撮った作品。
京劇の実在の女形で、名優とされた梅蘭芳の伝記ドラマである。

 

時は20世紀前半の激動の時代。
京劇の名門に生まれた梅蘭芳は、10代にして女形のスターとなる。
そして邱如白なる人物と出会い、その先進的な考えに賛同して義兄弟の契りを交わす。
(三国史の時代からそういうことをする風習があったのだよねえ)

 

そして伝統的な京劇の世界に改革をすすめていく。
封建的な考えの師匠と意見が対立した梅蘭芳は、それぞれの観客の反応で決着を付けようとしたりする。

 

京劇の舞台の様子も充分に観ることができる。
きらびやかな衣装、甲高い歌声、そして定型化された所作。
(しかし、あの歌は役者自身がうたっていたとは知らなかった。てっきり役者とは別に背後に歌う人がいるのだろうと思っていた。)

 

梅蘭芳の青年期までを演じた俳優は美形で、物語と好く合っていた。
妻帯者となったあたりからはレオン・ライが演じている。
もちろんレオン・ライも美形なのだろうが、正直なところ、なんや、急におっさんになったな、と思ってしまった(汗)。

 

そして梅蘭芳が出会うのが京劇界きっての男形女優の孟小冬(チャン・ツイィー)。
二人はすぐに恋に落ちる。

 

チャン・ツイィーが可憐。
この映画の時は20歳代後半のはずだが、あの「初恋のきた道」の少女っぽい面影を残していて、好い!
それに、小悪魔的なのだ。
どうみたって、これ、孟小冬の方から梅蘭芳を誘っているでしょ。

 

並んで線香を上げながらそれぞれの願いごとをする二人。
何を願ったのかを言おうとした梅蘭芳の口を手で押さえて、孟小冬が言う。
「言わないで。私の願いと違うと悲しいから・・・」
こんな事を可愛いチャン・ツイィーに言われたら、そりゃあもう・・・。

 

しかし孟小冬は自ら去っていく。もうお会いすることはないでしょう・・・。
実は邱如白が言ったのだ、梅蘭芳の至高の演技は、彼が孤独だったから演じることができた、
しかし孟小冬の存在は彼の孤独をなくしてしまう。
どうか、彼の至高の演技の邪魔をしないでくれ・・・。
彼を愛するがゆえに孟小冬は身を引いたのだ。切ないなあ。

 

その後、日中事変から第二次世界大戦の時代となっていく。
進駐してきた日本軍が京劇を政治的に利用しようとしたりして、映画の上のこととはいえ、完全に日本軍は悪者である。
しかし、中には京劇の魅力、芸術的価値を理解している将校もいたりした。
そして大戦が終わり、日本が中国から撤退して京劇が再び表舞台にあらわれる。

 

波瀾万丈の人生である。
2時間半近い尺を一気に見せる面白さもあった。
しかし、実在の名女形の人生を追ったということで、「さらばわが愛/覇王別姫」に比べれば物語性はやや平板であった。