あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「ムーラン」 (2009年)

f:id:akirin2274:20210114183730j:plain

2009年 中国 114分
監督:ジングル・マ
出演:ビッキー・チャオ

アクション史劇。 ★★☆

 

古代中国の女闘士ムーランの物語というのはかなり有名なものらしい。
ディズニーはアニメ版で作っていたが、昨年それを実写化した。
しかしコロナ禍とか政治的背景とかいろいろと問題が起きて、日本では上映スルーとなってしまった。
では、ということで、2009年の中国版オリジナルを観賞。

 

舞台は魏の国。だから、時代はあの有名な三国志のすこし後か。
北のフン族の襲撃にさらされている魏では、全戸からの徴兵をおこなう。
どの家も男を一人出すこと。これは王の命令であるぞ。
幼い頃から武術が得意だったムーラン(ビッキー・チャオ)は、病弱な父に代わって男装して戦地に赴く。

 

こんな美形がいれば、男たちはすぐに気づいて噂になるだろう。
しかし、幼なじみと、もう一人を除いては誰も気づかない。ええっ?どう見たって女じゃん(汗)。
それに、トイレや着替え、入浴はどうしたのだろうと気にもなる。
しかしそんなことも考えないことにして、アクション映画を、さあ、楽しもう!

 

ムーランは男顔負けの武勇で、どんどんとその存在感を増していく。
ムーランが女であることを知りながらも、一緒に戦っていく上官のウェンタイ。
大将がウェンタイ、副将がムーランの隊は次々に戦果を上げ、二人も上級大将になっていく。
そんな二人は(当然のことながら)互いに惹かれ合うのだが、ここは戦場。そんな男女の思いなどは御法度なのだ。

 

戦闘場面は迫力あるもの。
リアル感がある代わりに、画面の色合いは茶色系統一色。いかにも無骨な中国映画らしい。
ディズニー版はもっと色彩豊かで、CGバンバンで華やかなのだろうな。
どんな具合だったのだろう。そのあたりは気になるところ。

 

この映画の面白いところは、敵である北のフン族もきちんと描いているところ。
それなりの武将であった父を殺害して実権を握る非情な息子。
戦さを何とかして収めようとする妹。
それらの思惑も物語の展開に関わってくる。

 

ムーランは将軍にまでなり、なんと12年間も戦地で戦い続けていた。
さらなる栄達を断り、故郷に戻るムーラン。老いた父と平穏な生活に戻ろうとする。
しかし、心に残るのはウェンタイのこと。
そのウェンタイもムーランに想いを寄せていたのだが、二人には哀しい運命が待っていたのだ。

 

歴史ものアクションと、悲恋物語が上手く組み合わされていて、好くできていた。
ネット配信となったディズニー版よりは、正当派のこちらの方が確かなのではないかな。