あきりんの映画生活

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「007/スペクター」 (2015年)

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2015年 アメリカ 148分
監督:サム・メンデス
出演:ダニエル・クレイグ、 レア・セドゥ、 モニカ・ベルッチ、 レイフ・ファインス

クレイグ・ボンドの第4弾。 ★★★☆

 

スカイフォール」に続けての007復習。
いわずとしれたこのシリーズ、通算24作目となる。

 

ダニエル・クレイグ・ボンドとなって、すっかり本格派アクション映画となった。
かってのロジャー・ムーア・ボンドやピアース・ブロスナン・ボンドに比べるとユーモア感覚、お遊び感覚がなくなって、ガチになっている。
それを007らしくないと不満の人も、当然いたわけだが、私はクレイグ・ボンドの大ファンである。

 

今回の敵は、なんと宿敵“スペクター”。
たしか第1作の「ドクター・ノオ」のときも007の敵はスペクターだった。敵の主役だった。
いつからかスペクターは敵の主役組織から消えていたのだが、今回で復活したというわけだ。
映画タイトルを聞いた時から、なに?スペクターが復活!と感慨深かった。

 

さて、本編。
メキシコの死者の祭の雑踏での追跡劇から始まり、ロンドン市街や雪山、列車内でのアクションと、これまでの007シリーズを彷彿とさせる場面もあった。
お約束のアストン・マーチンも復活して、嬉しいかぎり。

 

前作から登場しているM(レイフ・ファインズ)、Q(ベン・ウィショー)、それにマネーペニー(ナオミ・ハリス)がしっくりとしてきている。
特にQがあまりに若くて、前作では違和感も感じたのだが、今作ではがっちりと活躍して好い感じになっていた。
前作では007を撃ち殺しそうになったマネーペニーだったが、小悪魔的で、好いよ。

 

前半のボンド・ガールにモニカ・ベルッチお姉さま。さすがに貫禄。
でも、出番は少なめだった。
こんな大女優を起用しておきながら、もったいないなあ。

 

そのあとに登場する今作のヒロインが、マドレーヌ役のレア・セドゥ。
彼女はどの映画ででもどこか不思議な魅力をたたえている。
どこからそういう雰囲気が来るのだろうと思っていたのだが、ああ、そうか、彼女はいつも不満げな表情、拗ねたような表情をしているんだ(苦笑)。

 

そして今作の敵が因縁のスペクター。
その首領が、ボンドの過去にも関わるブロフェルド(クリストフ・バルツ)。
実は、ボンドの養父はブロフェルドの実父だったのだ。
二人は幼なじみで、まだ少年だったボンドとブロフェルドが並んで写っている写真は、あのスカイフォールの焼け跡から回収されている。
なるほど、ボンドの過去をからめて敵にもドラマを持たせている。好い。

 

これまでの作品の敵も、実はすべてスペクターの一員だったのだ。
マッツ・ミケルセンや、ハピエル・バルデムなどが演じた敵も、スペクターだったのだ。なるほど、そうだったのか。

 

そしてボンドが乗り込んだスペクターのアジトには、ボンドに見せつけるように、これまでに死んでいった人たちの写真が掲げられていた。
敵もいるし、Mだったジュディ・デンチなどの死んでしまった仲間もいた。
おお、走馬燈のようなこれは、いわば007シリーズの総括ではないか・・・。
とすると、これは・・・。

 

最後、宿敵を倒して立ち上がったボンド。
少し離れたところで彼を見つめるM。そしてその反対側で彼を見つめるマドレーヌ。
ボンドは手にしていた銃を投げ捨てると、Mには背を向けてマドレーヌの方へ向かって歩いて行く。

 

ああ、そうか、ボンドはMI6ではなくて、マドレーヌを選んだということだね。
007はもう退職して、このシリーズもこれで終わりなのかと思わされたエンディングだった。

 

しかし、第25作「ノー・タイム・トゥ・ダイ」でクレイグ・ボンドは戻ってきた。
さあ、いよいよ最後のクレイグ・ボンドを観に行くぞ。