あきりんの映画生活

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「素直な悪女」 (1956年)

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1956年 フランス
監督:ロジェ・バディム
出演:ブリジッド・バルドー、 ジャン・ルイ・トランティニヤン、 クルト・ユンゲルス

健康なお色気映画。 ★★☆

 

舞台は陽光がまぶしい南フランスの田舎町。
孤児院から引き取られてきたジュリエット(ブリジッド・バルドー)は、干し物の陰で全裸で日光浴をする様な奔放な娘。
もちろん言い寄る男たちも多く、町の大人たちからは悪女とかあばずれとかふしだらとか噂されている。
でもそんなことはまったく気にしないジュリエット。

 

ロジェ・ヴァディム監督の最初の作品であり、当時の妻だったバルドーをこの映画で世に送り出した。
バルドーが一躍、「小悪魔」として脚光を浴びた記念的な作品である。
ヴァディム監督は、バルドーのあとの奥さんであるジェーン・フォンダにしても、とにかく自分の奥さんをこれでもかと魅力的に撮る。
奇想天外なSF映画「バーバレラ」では、ジェーン・フォンダがいきなり無重力状態で着替えをした。私のお気に入り映画。
一種の才能だな。

 

さて。
初老の紳士エリック(クルト・ユルゲンス)は、ジュリエットが気になって仕方がない。
孤児で継母からいじめを受けている彼女に親切にするが、理性があって、節度をもって接している。
ドックを経営している3兄弟の長男アントニーは、ジュリエットとは遊びと割り切ってつきあっている。
そのつもりだったが、実は本気で彼女に惚れていたりする。
一方、次男のミシェル(ジャン・ルイ・トランティニアン)は、生真面目で不器用。
ジュリエットにおずおずと告白をしたりするのだが、冴えないことこの上ない状態。
こうして3人の男性がそれぞれの思いでジュリエットと関わっていく。

 

とストーリーを紹介したが、この映画の見所は、いってみればバルドーのその自由奔放な魅力。ただそれのみ。
ストーリーなんてとってつけたようなもので、まあ、どうでもいいもの(汗)。
当時22歳、ただただ可愛いバルドーである。

 

「友達が欲しいの」、「明日死ぬような気がしてバカやっちゃうの」と呟きながら男性に凭れかかるジュリエット。
どこか危うくて、どこか幼ない感じもする。
そのアンバランスな魅力がなんともいえず男心をくすぐる。
最後のあたりで、何かが吹っ切れたようにバルドーがキューバ音楽で踊りまくるところは、もう彼女の魅力全開である。

 

バルドーはこの映画の完成後に、共演をしていたジャン=ルイ・トランティニャンと恋愛関係になり、ヴァディムとは別れている。
皮肉と言えば皮肉である。

 

さあ、男を誘い込むような唇と、つんと突きでた胸と、細くくびれた腰にうっとりしましょう。
やっぱり男のための映画だな。