2005年 アメリカ 136分
監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ホアキン・フェニックス、 リース・ウィザースプーン
ジョニー・キャッシュの伝記物。 ★★☆
知らない映画だったが、リース・ウィザースプーンがアカデミーとゴールデングローブ賞の両方で主演女優賞をとった作品ということで鑑賞。
彼女は「キューティ・ブロンド」シリーズや「わたしに会うまでの1600キロ」で観て、ひいき筋となった女優さん。
顎がちょっとアントニオ猪木風なところも愛敬がある。
観始めてみると、あれ、ロカビリー歌手のジョニー・キャッシュの伝記もの、だった。
えっ、ジョニー・キャッシュなんて名前を聞いたことがある程度にしか知らないぞ。
何を歌った人なんだ?
ああ、映画タイトルも彼の歌のタイトルからとっているのか。
ジョニー・キャッシュ(ホアキン・フェニックス)の前半生は苛立ちに満ちているようだった。
早くに亡くなった大好きだった兄へのコンプレックス、兄と比べて自分を貶めつづける父親の存在。
そんな思いを歌にぶつけていくジョニー。
彼が安らぎを見出したのが同じ歌仲間のジューン・カーター(リース・ウィザースプーン)だったのだろう。
しかし、ジョニーよ、お前奥さんいるだろ、二人の娘もいるだろ。
自分の感情のままに幾多の女性に走り、ドラッグに走り、周りに迷惑をかけ続けるジョニー。
まったくのクズ男である。
そんなジョニーに奥さんはついに愛想を尽かす。今さら追いすがっても遅いぞ。
それに引きかえ、ジューンはどこまでも彼を包みこもうとする。
しかし、ジューンの気持ちはよく判らない。
あんなクズ男を見捨てることもしないで、ずっと寄り添っている。
恋愛感情が強ければとっくに結婚していただろうに、40回プロポーズされても承諾しなかった。
ダメンズを見捨てられない母性本能のようなもの?
劇中の歌唱はすべてホアキン・フェニックスとリース・ウィザースプーン自身とのこと。
二人とも歌が上手い。すごい。
ホアキンの目力もすごかった。
そしてなんといってもリース・ウィザースプーンが魅力的だった。
不思議な女心を巧みに演じていた。ジョニーにとっては女神のような存在であっただろうジューンが納得できるものになっていた。
ついに舞台上のジョニーの告白にジューンが応える。
エンドロール時に二人のその後が説明される。
幸せな結婚生活を35年間送ったとのこと。よかった、よかった。
そしてジューンが亡くなると、その後を追うようにジョニーも4ヶ月後に亡くなったとのこと。
ジョニー・キャッシュや、あの頃のロカビリーが好きな人にはたまらない映画でしょう。
ロカビリーにほとんど興味がない私は、一人の歌手の恋愛映画としてみました。
主人公に思い入れをすることは出来ませんでしたが、映画としては良品でした。