2020年 アメリカ 109分
監督:キャシー・ヤン
出演:マーゴット・ロビー、 ユアン・マクレガー
DCコミック原作もの。 ★★☆
暗さ基調のDCコミックもので異彩を放っていた「スーサイド・スクワッド」。
その中で一番輝いていたのがマーゴット・ロビー演じるハーレイ・クインだった。
今作はその人気にあやかっての単独主演もの。
あのジョーカーの恋人だということで、ハーレイ・クインに手を出す者はおらず、彼女は好きかってやり放題だった。
しかしジョーカーと別れてその後ろ盾がなくなった途端に、これまで酷い目に逢わされてきた連中が彼女に復讐をしようとする。
後から後からあらわれるぞ。
とにかくこの映画、けばけばしく薄っぺらく、そして騒々しい。
それがこの映画の狙った世界。それを売りにしている映画。
もちろんジョーカーといっても、あのホアキン・フェニックスが演じた(シリアスな)ジョーカーとはまったく別物。
ところどころで時間経過が逆戻りするが、ちゃんとハーレイが解説してくれるので、戸惑うことはない。
てんやわんやの追いかけっこをしているうちに、大金のありかを記したダイヤモンドの争奪戦になっていく。
敵は犯罪王ブラックマスクことシオニス(ユアン・マクレガー)。
このシオニスがナルシストでサイコ野郎。
ゴッサム・シティを牛耳ろうとしているのだがどことなく小物っぽいところがご愛敬である。
ハーレイはダイアモンドを盗んだスリの少女をシオニスから守るぞ。
いつか彼女の周りには、シオニスのクラブで歌手をしていたブラックキャナリー、シオニスの手下を襲う暗殺者ハントレス、シオニスを追う刑事レニー・モントーヤといった女性強者が集まる。
つまり女性だけのワン・チームを結成して戦っていく。
同じDCものの「ワンダー・ウーマン」と比べてみると、狙い所はまったく異なっている。
あちらは神の子で、超能力を駆使して活躍する。
それに比してハーレイは普通の女の子で、生身の身体能力で勝負する。
そして、あちらは美しくて善のかたまり。こちらは可愛くて悪のかたまり。
ハーレイの戦いは基本的に(バットによる)殴打と、反射神経を活かした蹴りである。
さあ、こうしたポイントで魅力的なヒロイン映画となっていたか?
私の結論は、残念ながら狙い所はいささか空回りしてしまったな、というものだった。
「スーサイド・スクワッド」の面々の中に混じっているときは魅力的だった。
しかし単独ものになると、やっていることは派手なのだが、どうしても単調になっていた。
マーゴット・ロビーは確かに魅力的だった。
だから映画自体の面白さというよりも、彼女をただ堪能する映画になってしまっていた。
エンド・クレジットが終わった後に何かあるかな?と思っていた。
すると、ハーレイの声が聞こえてきた。「あら、まだいたの(と、観客をイジル)。じゃあ、ちょっとだけ教えてあげる」。
映像は何もなし、で、「知っている? あのバットマンが・・・」
ん~、続編作る気、満々だなあ。