あきりんの映画生活

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「キラー・エリート」 (1976年) サム・ペキンパー監督どうしちゃったの?

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1976年 アメリ
監督:サム・ペキンパー
出演:ジェームズ・カーン、 ロバート・デュバル

B級アクション映画。 ★★

 

ペキンパー監督といえばバイオレンスものと決まっている。
しかし、この映画はどうもぬるい。ふざけているとしか思えないような部分もあるのだが、真面目に撮ったのだろうな。
どうしたんだ、ペキンパー監督?

 

あらすじとしては、仲間ハンセン(ロバート・デュバル)の裏切りにあった主人公マイク(ジェームズ・カーン)が、懸命のリハビリをして復帰し、その仇を討つ、というもの。
彼らは要人の警護を引き受ける民間組織の一員。
間組織といっても、アメリカのことだから拳銃はもちろんのこと、短機関銃まで手にしてバンバンと撃つ。

 

前半は、肩と膝を撃たれて再起不能といわれたマイクのリハビリ場面が延々と続く。
主人公はこんなに大変な状況から復帰したのだよ、というアピールなのだろう。
親身に介護してくれた看護師とは一緒に暮らすようにもなる。
(でも、後半になると彼女は1度も登場しなかった。仕事に出かけるマイクを見送って、それでおしまいだった。扱いが冷たいな。)

 

さて、後半になってマイクは再び要人警護の仕事を依頼される。
さあここからペキンパー監督の本領発揮かと思わせるのだが、なんともツッコミどころ満載の展開だった。

 

中国人の要人を無事に出国させるのがマイクに任された仕事。
しかし組織は何の支援もしてくれない。やむを得ず、マイクは昔からの仲間を援護要員と運転手としてやとう。
日当は1日500ドルだった。命をかけた仕事なのに、安すぎないか?

 

まあ、それはいいとして。
要人を襲ってくるのが、なんと・・・ニンジャ暗殺団!
黒頭巾に黒装束に身を包んで次々に襲ってくるのだが、なんと刀しか持っていない。
こちらは短機関銃だよ。連射すれば、それこそニンジャ集団は何もできずにバタバタと倒れていく。
もう少し考えて襲って来いよ、と言いたくなるほどの敵の酷さ。

 

極めつけは最後の敵ボスとの対決。
一人残ったニンジャ暗殺団の首領との対決なのだが、相手をするのは、なんと狙われていた中国の要人。
来い、わたしが相手だ、とか言いながら二人でチャンバラを始めてしまう。
マイクたちは周りでただ見ているだけ。
こんなの、あり?

 

おまけに、仲間に雇った援護要員が撃たれて死んでしまうのだが、誰も気に留めていない。昔からの仲間だったのに扱いが冷たすぎないか?

 

ということで、途中で寝落ちしそうになる映画でした。
本作の評価として「バイオレンスの巨匠らしからぬ気の抜けた珍品」というのがありました。
一番この評が合っている気がするなあ。