2003年 アメリカ
監督:ウォッシャウスキー兄弟
出演:キアヌ・リーブス、 キャリー・アン・モス、 ローレンス・フィッシュバーン
マトリックス第3章。 ★★★☆
さて、マトリックスの世界はどのように結末を迎えるのだ?
トリロジーの最終章(のはずだった)。
前作の「リローデッド」でマトリックスの世界は複雑になってきていたのだが、今作ではさらに混沌としてきていた。
ネオたちの生身の世界、それが対抗しているマトリックスのプログラムの世界。
第1作ではこの単純な対立構造だった。
そこにマトリックスの世界を支配しているプログラムであるアーキテクトが登場してくる。
そしてアーキテクトは、ネオもアーキテクトが設計したものだと告げる。
ええっ、そんなあっ?となったのが前作だった。
アーキテクトの支配から逃げ出した不良プログラムの一団も、モニカ・ベルッチなどの顔をして現れたし・・・。
今作の要となっているのが、あのマトリックスの無敵の諜報員スミス。
なんと彼はあらゆる者を自分のなかに取り込んで力を増幅させ、大勢の自分の分身を作れるようになっていた。
こりゃ、もう無敵ではないか!
そのスミスは自分を支配していたプログラムにも叛旗を翻すようになる。
俺様が一番偉いんだっ! もうプラグラムの言うことなんか聞くものかっ!
ということで、ネオたちやマトリックスのプログラム、不良プログラムのエグザイルたちに加えて、超強力なスミスも対立に加わる。
何がどうなっているのやら、混乱してきたぞ。
現実世界では、ザイオンにセンチネルの大群が押し寄せてくる。
激しい戦いシーン。ザイオンの有力な武器である電磁パルスはなく、センチネルの数は半端ではない。
絶望的な激しい戦い。
ここで活躍していたのが部隊長のミフネ。文字通りに獅子奮迅の戦いぶりを見せてくれる。
日本びいきのウォッシャウスキー兄弟のことだから、おそらく三船敏郎へのオマージュがあったのではないだろうか。
一方で、ネオとトリニティはマシン・シティに向かう。ここでネオが頑張らなければザイオンは滅んでしまうぞ。
そして衝撃的だったのはトリニティの死。
まさか彼女が死ぬとは思っていなかったので、驚いた。
最後まで判りにくかったのが、予言者オラクル。
あんた、いったいどちらの味方ね?
でも、考えてみればオラクルもアーキテクトが作ったプログラムにすぎないわけだよなあ。
それにプログラムとマシンの関係も判りにくくて混乱したなあ。
マトリックスの世界とは別に、マシン・シティがあるんか? そこに愛はあるんか?
ネオは、マシン・シティの支配者であるデウス・エクス・マキナと手を組むことになる。
そして共通の敵となったスミスをネオが倒すことと引き換えに、マシンのザイオン攻撃を止めさせる。
さあ、無数のスミス達が見守る中で、ネオと一人のスミスとのタイマンが始まる。
もうここまでくると、ウォッシャウスキー兄弟(この頃はまだ兄弟だった)が何を言いたかったのかも混沌としてくる。
生身の人間の社会と、マトリックスの世界は共存することになったと解釈してよかった?
私も混沌としたままで、とにかくこれでマトリックスは終わったのだな、と(18年間は)思っていたのでした。