2007年 イギリス 120分
監督:エドガー・ライト
出演:サイモン・ペッグ、 ニック・フロスト、 ティモシー・ダルトン
ブラック・コメディ&アクション。 ★★☆
エドガー・ライト監督でサイモン・ペッグとニック・フロストだから、真面目な映画であるはずがない(失礼)。
と思いながら見始めたのだが、若干誇張気味ではあるものの、おや、まともな警察ものではないのか?
主人公はロンドンの警察で抜群の優秀さだったニコラス巡査(サイモン・ペッグ)。
しかし、あまりにも優秀だったので、俺たちの存在がかすんでしまうぜ、と上司たちの反感をかって、のどかな田舎町の警察署に左遷されてしまう。
な~んにも事件が起こりそうにもない田舎町。
住人はみんな知り合いのような田舎町。
署長も同僚の警官たちも、平和な田舎なんだからみんなで仲良く適当にやっていればいいのさ。
生真面目なニコラスはそれでも、田舎でも法律は法律だ、とこれまでなあなあでやっていたことを片っ端から検挙しようとする。
おいおい、そんなことにまで目くじらを立てたら町の平安が破られてしまうよ、困るなあ。
未成年がパブにたむろしていたっていいじゃないか。田舎道で少しぐらいスピード違反したっていいじゃないか。みんなで平和なんだぜ。
まあね、どっぷりとそういう生活なわけだ。
相棒となったダニー(ニック・フロスト)は脳天気な気のいい奴。
悪気はないのだがドジなへまばかりしている。
おまけに警察映画オタク。映画の主人公を自分に重ね合わせてしまったりもする、ちょっと困ったちゃん。
そんな意気込みばかりが空回りしているニコラスは、首がはねられた男女の死体に遭遇する。
えっ! これは凶悪な殺人事件だっ!
ところが署長も他の警察官も、車の運転事故さ、といって取り合わない。
そんな馬鹿な・・・。
そのうちに、豪華な屋敷が爆発して焼死体が見つかったり、古城の石が落ちてきて死んだ人が出たり。
それでも署長も他の警察官も、料理中のうっかり事故さ、古い城だから自然に崩れたのさ、と取り上げようとしない。
しかし、観客はちゃんと黒いフードをかぶった怪しい人物が爆発を工作したり、石を落としたりする場面を観ている。
そう、そう、これはなにかの陰謀による連続殺人事件なんだよ。
ちょっとグロい場面もあったが、これは真面目な刑事物かと思っていたら・・・。
(以下、ネタバレ気味)
次第に事件の裏に隠されていた閉鎖的な田舎町の住人たちの姿が見え始める。
みんなでそんなことをしていたのか・・・。
スーパーのオーナー(ティモシー・ダルトン)も警察署長、そして牧師さんまでも、みんなグルだったのか・・・。
ニコラスがナイフで刺されて、ちょっとブラックなオカルト風味で終わるのかと思っていたら・・・。
しかし、サイモン・ペッグの映画がそんなことで終わるわけもなかった。
そこからがもうやけくその大暴れ。すごい展開になっていくねえ。
(彼がサングラスをかけて目を隠すと、髪型の関係で、おや、ジェームズ・クレイグ・ボンドに似ているぞ)
えっ、ケイト・ブランシェットが出ていた? どこに?
気がつかなかったなあ。