あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「白い恐怖」 (1945年) ヒッチコック・サスペンス

1945年 アメリカ 111分
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:グレゴリー・ペック、 イングリッド・バーグマン

安定のヒッチコック・サスペンス。 ★★☆

 

ある精神科病院に新らしい院長エドワーズ医師(グレゴリー・ペック)が着任してくる。
この若い新院長がイケメン。同僚医師たちの誘いをすべて袖にしていた堅物女医のコンスタンス(イングリッド・バーグマン)は一目で彼に惹かれてしまう。

 

すぐに親しくなっていくエドワーズとコンスタンスだったが、彼は白地に縞の模様を見ると発作を起こすという病を持っていた。
何故、そんな白いものに恐怖をおぼえるのだ?

 

眼鏡をかけ、白衣姿のイングリッド・バーグマンは気品があって美しい。
原題は「魅せられて」といった意味のようで、この映画の主役はコンスタンスであることがわかる。
恋する乙女(!)の一途な想いで事件が解決されていくのだ。

 

一方のグレゴリー・ペックは未だ若々しい。デビューしたてだったようだ。
途中で精神分析をうけていた彼が 「ローマ!」 と何度か呟く場面がある。
えっ! グレゴリー・ペックが・・・。
思わずニヤリとしてしまうのだが、「ローマの休日」はこの映画の8年ほど後に撮られているので、まったくの偶然ではある。なあんだ・・・。

 

さて。
やがて、新院長だと言ってやってきたエドワーズは、その名前をかたった偽者だったことが判明する。
本物のエドワーズ博士は殺されている? とすれば、犯人はこの偽者エドワーズか?
みんなも警察も偽者エドワーズを疑うのだが、コンスタンスだけは彼を信じて一緒に逃避行に出かけてしまう。

 

このあたりからサスペンス風味がぐっと濃厚になってくる。
偽者エドワーズの本名はバランタインで、なにかの事故が原因で記憶喪失にもなっていたのだ。
夜中に夢遊病者のようになったバランタインが剃刀を持って階下へ向かう場面は、これからどうなるのだ?という緊迫感に満ちていた。

 

発作を誘発していたのは白地に描かれたすじ模様だったのだが、一体どうしてそれが発作を誘発する?
そして本物のエドワーズ博士はどうなっていた?
はたして、コンスタンスが魅せられたバランタインは無実だったのか?

 

(以下、ネタバレ)

 

すべての元凶だった前院長にしてみたら、来るはずのないエドワーズ医師があらわれたら驚いただろうな。
それも別人物がエドワーズの名前をかたってあらわれたのだから・・・。
そのあたりの扱いの不自然さが、ヒッチコック監督にしてはやや甘かったかな・・・。

 

でも、安心して楽しめるひとときを与えてくれます。安定のヒッチコック・サスペンスです。
監督はエレベーターから降りてきていましたね。