あきりんの映画生活

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「ザ・オペラティブ」 (2019年) リアルなモサド諜報員映画

2019年 フランス 116分
監督:ユバル・アドラー
出演:ダイアン・クルーガー、 マーティン・フリーマン

リアルなモサドの諜報員映画。 ★★☆

 

地味な女性スパイもの映画。
しかし本当の諜報員の活動というのはきっとこんなのだろうなというリアル感がある。

 

いろいろな国で育ってきたレイチェル(ダイアン・クルーガー)は言語能力に優れていた。
それもあって、彼女はドイツで活動するモサド工作員にスカウトされる。
そして要人殺害などをの任務に荷担していく。おお、結構やるねえ。

 

このあたりの国家的対立構図に疎いので、いささか混乱するのだが、モサドというのはイスラエル諜報特務庁のこと。
そしてアラブ国家などを敵としており、本作での敵はイランである。
やはり根には宗教問題があるのだろうな。

 

さて、次にレイチェルに与えられた任務は、イラン軍に電子機器を提供している会社社長のファラドに接触すること。
そして彼から機密情報を引き出すこと。
彼女は英語教師としてテヘランに潜入し、ファラドとも親しくなる。
親しくなりすぎて恋人の関係にもなってしまう。おやおや、そんなことになってしまっていいのかい。

 

ダイアン・クルーガーにはクール・ビューティというイメージがある。
ポスターでは彼女は銃を手にしているが、映画では彼女は一切銃を使わない。そんな派手なことはしない。ひたすら地味である。
そして、レイチェルは諜報員にしてはどこか頼りなげで、非情にはなりきれない人物像として描かれている。
一人の弱さを持っ女性として描かれている。とてもリアルに感じられる描き方である。

 

判らなかったのは、そんなレイチェルが疑問を抱きながらにせよ、どうしてモサドの一員になることを決心したのだろうかということ。
普通の人はいくらスカウトされたからといって、そんなに簡単には諜報員になろうとは思わないよねえ。
それとも、一度声をかけられたら、諜報員になることを断ると消されてしまうのだろうか。
確かに諜報員たちの顔を知ってしまうからなあ。どうなんだろ?

 

モサドの活動を見ていると、もうテロリスト・グループと変わらないじゃないかとさえ思える非情さがある。
諜報員さえも、用済みとなればあっさりと見捨ててしまうような感じ。
(FBIとかMI6はどうなのだろう?) 

 

深夜のファラドの会社に忍びこみ、機密情報を盗み出レイチェル。
不自然な行為を目撃されてしまった警備員を、(少しずつ親しくなるように仕向けていた警備員だったが)、毒殺してしまうレイチェル。
このあたりはかなりのサスペンス・タッチで、緊張感が続く。

 

さあ、ファラドを愛してしまったレイチェルの任務はこのあとどうなる?
モサドは彼女をどうしようとしている?
最後、レイチェルは我が身を守るために、モサドを相手に危険な交渉をおこなう。
果たして彼女はどうなるのか?

 

決して悪くはない映画でした。ダイアン・クルーガーの魅力も発揮されていました。
ただ、どこまでも画面は暗めで、物語も地味めだったので、爽快感にはつながらない映画でした。

 

リアル諜報員ものをお求めの方に。