2020年 アメリカ 98分
監督:マーク・ウィリアムズ
出演:リーアム・ニーソン、 ケイト・ウォルシュ
鉄板のアクションもの。 ★★☆
このところ、飛行機や列車など、あらゆる場所でのアクションを続けているリーアム・ニーソン。
氷の上の大型トラックだって運転するし、雪上車だって操るぞ。
そんな彼は今度は爆発物取り扱いのプロだ。その技を活かして孤高の銀行襲撃犯だ(笑)。
凄腕の爆破銀行強盗のカーター(リーアム・ニーソン)は、これまでに盗んだ大金を保管するための貸し倉庫を探しにいき、運命の女性アニー(ケイト・ウォルシュ)と出会う。
たちまち恋に落ちるカーター。
ああ、もう俺は銀行強盗なんか止めるぞ。これからは彼女と穏やかな日を送るんだ。
リーアム・ニーソンはもう古希に近いはず。
しかし、さすがにダンディ。恋に落ちる設定も不自然な感じがしない。
たいしたものだな。見習いたいぞ。
愛する彼女に隠し事はしておけない。よし、大金を返して自首しよう!とするカーター。
アニーよ、(銃はとらずに)刑期を終えるまで待っていてくれ。
ちなみに原題は「正直な泥棒」。
まあ、カーターはその通りなのだが、この題ではなんだかコメディ映画のような雰囲気になってしまうなあ。
カーターから自首の電話をもらったFBIだが、その担当になった2人のFBI捜査官が悪だった。
アニーが管理している貸倉庫で大金を見た途端に、この金をネコババしてしまおうと企むのだ。
大金のために同僚まで殺してしまうこの悪FBI。
発端は、つい魔が差してしまった、ということなのだろうが、次第に憎々しさがふくれあがってくる。
もうここまで来たら、止められるものか。毒を食らわば皿までだ。
ついに悪FBIはアニーをも危険な目に遇わせたので、ついにカーターの怒りが爆発する。
愛する人を守るためだったら、96時間といわず何時間でもカーターは戦い続けるのだよ。
こちらは爆発物のプロだぜ。甘く見るなよ。
ということで、今作のリーアム・ニーソンの戦いはとても小規模。
人身売買の秘密組織が相手というわけでもなく、街中での大銃撃戦があったりすることもない。
自分が(不正に)貯め込んだ大金を奪い取ろうとする奴が相手。とても個人的な物語。
その相手も、大金を目にしてつい欲が働いてしまった、という輩。
小市民的な悪役である。
彼らだって、こんな大事になるとは思わなかったぞとぼやいているにちがいない、というようなちょっと気の毒な展開でもある。
スケールは小さいのだが、その分はより身近に感じられるサスペンスものとなっている。
カーターは海軍時代に爆発物のエキスパートとなったわけだが、そのスキルを活かして敵を懲らしめていく様はやはり痛快である。
特に最後近く、敵が乗った車の座席下に爆発物を仕掛けて、席から立ったら爆発するぞ、と警告する展開は好かった。
リーアム・ニーソンのアクションものに外れなし。
どれも同じではないかと言うなかれ。退屈させられることはない。
しかしこの映画、ヒロインがもう少し魅力的であって欲しかったぞ(汗)。