あきりんの映画生活

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「闇のあとの光」 (2012年) 不思議な、高く評価されている作品

2012年 メキシコ 115分
監督:カルロス・レイガダス

理解不能だった映画。 ★★

 

カルロス・レイガダス監督についてはまったく知らなかった。
なんでも各地の映画祭等で高い評価を受けてきており、長編4作目となる今作もカンヌ国際映画祭で監督賞を受賞しているとのこと。
そうか、傑作という評価なのだな。

 

映画の舞台はメキシコの自然豊かな村。
そこで暮らす夫婦と2人の幼児たちを、何の説明もなく、ただ淡々と描く。
画面は、四方が歪んでいるというか、焦点をずらせているというか、妙な撮り方のものとなっている。
物語がどこか現実を離れたものであることを暗示しているかのよう。

 

幼子は牛を追い、犬と戯れ、驟雨がやってきたりする。
掘っ立て小屋のようなところでの依存症患者の集会風景、学生たちのラグビーの練習風景、そして中年男女のサウナ施設での乱交風景。
物語性には乏しく、脈絡もなくそれらが映し出されていく。

 

そしてある夜、主人公一家の家に赤く発光する”悪魔のようなもの”があらわれる。
それは家の中をめぐり、立ち去っていく。
この映画の一番の眼目がこの赤い発光体である。
それは何だったのか、それは何のためにあらわれたのか、そしてそれの出現によって人々の何が変わったのか・・・。

 

映される出来事も時間軸を前後させているようだ。
主人公たちの家に知り合いの男が盗みに入り、見つかった男は発砲して主人公が大怪我をしたり。
しかし、音楽も排した映像は淡々としており、何の感情の昂ぶりも見せずに映画は進んでいく。

 

ある解説によれば、「自然の中における人間の生と性を、神もしくは悪魔の視点を介在させつつ、レイガダス監督独自の美しい映像で描く」、ということらしい。

 

う~ん、そうなのか。
しかし、私にはまったくその目論見は判らなかった。
監督の目論見などは別にしたとしても、映画に惹かれるものが何も無かった。残念。

 

(後日談)
あまりに理解不能だったので、これは私の鑑賞眼が足りないのかもしれないと思い、再見した。
やはり、つまらなかったのだが、何かが記憶には残る作品。
これ、どういうことなのだろう。
理解云々というよりも、映画との相性がなかったということなのかな。