あきりんの映画生活

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「泥棒成金」 (1954年)

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1954年 アメリカ 106分
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ケイリー・グラント、 グレース・ケリー

上品な泥棒物語。 ★★☆

ヒッチコック監督にグレイス・ケリーとくれば、あの「裏窓」のコンビ。
軽いタッチの、上品なサスペンスもの。

今は悠々自適の生活を送っているジョン(ケーリー・グラント)は、元は”猫”と呼ばれた宝石泥棒。
ところが彼の手口をまねた泥棒が出没して、ジョンが疑われる。
なんとか真犯人を捕まえて身の潔白を証さなくては。

この手の映画のお約束として、美女が主人公の味方となってくれる。
その際のパターンは二つ。
ひとつは、何も知らない初心な美女が無心に、けれども一生懸命に協力してくれるもの。
もうひとつは、はじめは敵対する関係であった高いスキルを持つ美女が、いつしか主人公の味方になってしまうというもの。
どちらの場合も、主人公がハンサムでないと成り立たない構図ではある(笑)。

この映画はもちろん前者のパターン。
清楚なグレース・ケリーがなんといっても美しい。
大金持ちの母娘として登場してきて、いつの間にか、彼女の方から積極的にアプローチしてくるのだよ。
ドライブに行きましょう、チキンとビールもあるわよ(飲酒運転前提 笑)

有名な、窓からの花火を背景にしたラブ・シーンも雰囲気がよかったが、いちばん魅力的だったのは、ホテルの部屋まで送ってくれたグラントに、ドアの前でいきなりキスをする場面。
こんなことをされたら、完全にノックアウトだよなあ。

この映画はリヴィエラが舞台となっていて、ロケもおこなわれている。
その際にモナコ国王に見初められたてグレース・ケリーは、この映画の翌年にはモナコ王妃となっている。
それを考えると、作中でグレースが車を飛ばして運転する場面が、なんとも因縁めいたものに思えてくる。
実際にグレースが自動車事故で亡くなったのは、あのピクニックの場所の近くだったとか。

物語そのものは単純そのもの。ストレート。
真犯人が誰かという謎解きも一応はあるのだが、それは主人公二人が動き回るための口実のようなもの。
要するに気軽に楽しむ映画。

美しい風景、美しいヒロイン、洒落た会話、ちょっとしたサスペンス。
上質のエンターテイメント映画でした。