あきりんの映画生活

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「プルーフ・オブ・ライフ」 (2000年) 交渉人は実戦もするぜ!

2000年 アメリカ 135分 
監督:テイラー・ハックフォード
出演:ラッセル・クロウ、 メグ・ライアン、 デイビッド・モース

ゲリラからの人質奪還。 ★★★

 

テリー(ラッセル・クロウ)は、国際的な人質事件を専門に扱うプロの交渉人。
冒頭の前振りで、中東での人質奪還の様子が描かれる。
命がけの救出である。迎えのヘリコプターとの約束場所に約束時間に到達していなければならない。
ゲリラ組織との交渉人はこんな実戦もおこなうのだということを始めて知った。大変な仕事だ。

 

さて今回は、会社の指示で南米へ飛び、反政府ゲリラに誘拐されたアメリカ人技師ピーター(デイヴィッド・モース)の奪還交渉をおこなうことになる。
ピーターの妻アリス役に(メグ・ライアン)。
ひたすら夫の無事の救出を願ってテリーを頼りにする。
実はピーターの会社は保険をキャンセルしていたのだが、テリーもアリスの哀願に気持ちを動かされて交渉を続けることにする。

 

ゲリラは本当に誘拐ビジネスをおこなうとのこと。
そしてそのゲリラと交渉にあたるプロがいて、会社は要人が誘拐されたときの保険にも入っているとのこと。
怖ろしい状況の世界が同じ地球上にあるのだな。

 

テリーは粘り強く交渉をおこなう。
いくらまでなら身代金を出すか、本当に人質は生きているのか(原題は、”人質が生存している証拠”)。
相手を怒らせてはいけないし、ただ言いなりになるわけにもいかない。
やはりプロの仕事は大変だ。

 

35歳の精悍なラッセル・クロウが生き生きとしている。このころから華がある。
しかしクレジットではメグ・ライアンがトップだった。
この頃は彼女の方が人気度は上だったのだな。
そのクロウだが、22年後の57歳での「アオラレ」。熊のような太り過ぎ体型のおじさんになるとは!

 

人質になっているピーターの様子も描かれる。
ジャングルの中での過酷な生活を強いられる。
それに、拷問とかをされるわけではないが、ゲリラの気まぐれでいつ殺されるか判らないという恐怖は常にあるだろう。

 

さて、持久戦となった交渉が続く日々、テリーとアリスの間には微妙な感情が交差するようになっていく。
もちろんテリーはピーターを取り返すために困難な仕事をしている。
それが成功すればアリスはまた夫の元に去って行く。
禁断の恋だなあ。

 

結局、最後は傭兵部隊を率いて実力行使での人質奪還ミッションとなる。
まるでランボーのような展開で、これはこれで派手で面白かった。
しかしこの武力行使が成功するのだったら、これまでの地道な交渉は何だったんだ?という気にもなってしまう。う~む。
ま、変化が出て好かったということにしておこう。

 

無事にピーターを救出してアリスの元に送り届けるテリー。
ヘリコプターから降り、何もなかったように言葉も交わさずに別れるテリーとアリス。
まるで「カサブランカ」のようだよなあ。
しかし、二人が交わした視線にはピーターも何かを感じてしまったのではないかと、この後が心配になったぞ。

 

(余談)
実生活でもメグとラッセルの不倫が噂となり、メグと当時の夫のデニス・クエイドは結局離婚してしまったとのこと。ありゃ、ありゃ。

 

緊張感溢れるゲリラからの人質奪還と、淡い禁断の恋感情を上手く組み合わせた作品でした。