2021年 ブラジル 111分
監督:ビセンテ・アモリン
出演:MASUMI、 ジョナサン・リース=マイヤーズ、 伊原剛史
ブラジルでのチャンバラもの。 ★★
印象的なタイトルとポスターのビジュアルに惹かれて鑑賞。
冒頭、Japan, Oosakaでヤクザ一家が皆殺しされるという事件が起きる。
(画面にはなぜか金閣寺が映ったりする。あれ、金閣寺って大阪にあったっけ? 笑)
1歳の幼い娘だけが何ものかによって助けられて逃げのびる。
そして20年後のブラジル、サンパウロ。
そこの日本人街で祖父という男に育てられたアケミ(MASAMI)は、命を狙われるようになったことから自分の生い立ちを知る。
そして妖刀村正を手に復讐を誓う、といった筋立て。
ブラジル人が思い描く日本ヤクザって、どこか武士道とごちゃ混ぜにしている感もある。
小指を詰めようとしたかと思えば、潔く切腹していったりする。
原作は「Samurai SHIRO」というブラジルのコミックと言うこと。なるほどね。
で、その原作者は大友克洋と小島剛夕のファンとのこと。なるほどね。
記憶を失った殺し屋シロ(ジョナサン・リース=マイヤーズ)や、何故かアケミを助けてくれようとする強面ヤクザのタケシ(伊原剛史)が出てくる。
そしてアケミも幼いころから”育ての祖父”に言われて剣道を修行している。
クラブでちょっかいを出してきた不良たちを、近くにあった棒を片手に痛快に叩きのめす場面もある。
しかし、まあ物語としては破綻している部分が少なくない。
日本の神秘的な面を描こうとしたのだろうが、中盤で出てくる謎めいたアジトなど、結局何だった?という感じだった。
そうか、外人が想像する日本らしさってこういうことかと、楽しめるのだが。
とにかく日本好きと思われる監督がチャンバラものを撮りたかった、そういう映画。
途中で手は切断されるわ、斬りはねられた首が宙を飛ぶ場面が2回ぐらい出るわで、かなりのもの。
日本刀の切れ味って、骨まで一刀両断なんだよ。
ヒロイン役のMASUMIは、アメリカで活動する日本人ミュージシャンとのこと。
目にした感想では、もうちょっと美形のヒロインが好かった、などという意見もあったのだが・・・(汗)。
最後のあたりで出てくる敵役の女の子が黄色の上下のジャージー姿なのは、キル・ビルへのオマージュだろうな。
タランティーノ監督も日本びいきだし、ね。
何も考えずに(物語の整合性を考えてはいけません)アクションを楽しみましょう。
刀を逆手に構えたり、刀をぐるぐると回したりと、ちょっと忍者っぽい殺陣も楽しめる。
エンディングは続編が作られそうな雰囲気だったが、どうかな?