あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「グリーン・デスティニー」 (2000年) 壁を駆け上がり、中空を走るぞ 

2000年 中国 120分 
監督:アン・リー
出演:チョウ・ユンファ、 ミシェル・ヨー、 チャン・ツィイー、 チャン・チェン

ワイアー・アクションの武侠もの。 ★★★★

 

「エブ・エブ」でミシェル・ヨーアカデミー賞主演女優賞を獲った。
へえ~、あの映画でアカデミー賞かぁ。では、22年前の彼女の映画を観てみようか。

 

リー・ムーバイ(チョウ・ユンファ)は中国全土にその名を知られる剣の名手だった。
彼は伝説の名剣“グリーン・デスティニー”を、女弟子のユー・シューリン(ミシェル・ヨー)にことづけてティエ氏に届けさせる。
ところが、ティエの屋敷に届けた夜に、その剣は何者かに盗みだされてしまう。
盗賊を追いかけるシューリン。激しい戦いがくり広げられる。

 

この映画の売りは、当時は見る者の度肝を抜いたワイアー・アクションだった。
人は垂直な壁を駆け上がり、走るような動作で中空を跳ぶ・・・。
えっ、すごいよ。
まだ荒削りなそのワイアー・アクションは今の目で見ればいささか滑稽にも写るのだが、当時はその荒唐無稽ぶりに驚いたものだった。そして魅了されたものだった。
これはすごい映像だな。

 

ティエの屋敷の隣に住む貴族の娘イェン(チャン・ツイィー)は、親の決めた相手との結婚も決まっているような初々しい女性。
しかし、その可憐な風貌とは裏腹に、イェンは剣士になるのが夢だったのだ。
グリーン・デスティニー”を盗み出したのは、正にそのイェンだったのだ。

 

この映画の時、ミシェル・ヨーは30歳代半ば。
かたやチャン・ツィイーは20歳をすこし越えたころ。あの「初恋のきた道」の数年後である。
この映画、主人公はチョウ・ユンファでもミシェル・ヨーでもなくて、完全にチャン・ツイィーだったね。

 

聖剣をめぐる争い、武侠道を極める戦い、そしてムーバイの師匠の仇討ちの戦い。
その仇は極悪非道な悪人なのだが(それにしては、見かけは貧相な市場のおばさんみたい 笑)、実はイェンの師匠だったりする。
どうして貴族の娘であるイェンがこんな悪人の弟子になる? そんな説明は一切なし。
はい、次行くよ。

 

そうなのだ、実際のところ、物語は支離滅裂と言ってもいい。
イェンは急に旅に出ていて、立ち寄った酒場で大勢の大の男を相手に立ち回りをしたりもする。
そしてムーバイとシェーリンのもどかしいような大人の恋と、まだ若いイェンと盗賊の頭目との恋と、両方が描かれる。

 

なにやかにやがあるのだが、もうあまり細かいことには拘らないこと。
仙人が空を跳ぶイメージのアクションを楽しむ映画。
チャン・ツィイーは徹頭徹尾わがまま娘。最後のあっと驚く行動も意味不明。なんだ、あれ?
でも、可愛いからすべて許してしまおう。

 

アカデミー賞外国語映画賞など4部門を受賞しています。

 

(余談)
今、NHK-BSで放送しているドラマ「上陽賦 運命の王妃」のチャン・ツイィー、やはりきれい。
年齢を計算してみたらアラフォーだった。
それであんな可憐な娘役で違和感なし。すごいなあ。