あきりんの映画生活

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「ギャング・オブ・ニューヨーク」 (2001年) 父さんの仇を討つんだ!

2001年 アメリカ 160分 
監督:マーティン・スコセッシ
出演:レオナルド・ディカプリオ、 ダニエル・デイ・ルイス、 キャメロン・ディアス

スラム街の抗争史。 ★★★☆

 

舞台は19世紀半ばのニューヨークの下町。
そこでは、国を捨てて流れてきたアイルランド人移民とアメリカ生まれの住人達(ネイティブ・アメリカン)が武力による縄張り争いをしていた。
まだマフィアのような本格的な(?)ギャングはあらわれてなくて、下町のならず者集団同士の抗争といった雰囲気である。

 

少年・アムステルダムの父親(リーアム・ニーソン)はアイルランド民集団のリーダーだったが、ネイティブ・アメリカンのリーダー、ビル(ダニエル・デイ・ルイス)との決闘で殺される。
この映画は、青年となって街に戻ってきたアムステルダムレオナルド・ディカプリオ)がビルへの復讐を果たそうとする物語を描いていた。

 

アムステルダムは素性を隠し、ネイティブ・アメリカンズの一員となる。
彼は持ち前の才能と度胸で頭角をあらわし、ビルにも目をかけられる存在になっていく。
そのうちに、アムステルダムも敵であるはずのビルに敬愛の念を抱くようになってくる。
実際、ビルは一本筋の通った言動でみんなを惹きつけるカリスマ的な人物だったのだ。

 

2時間半越えの長尺だが、そのていねいな描写は観る者を惹きつけてくれる。
たくさんの人物が登場してくるが、彼らひとりひとりがきちんと描かれている。
だれることがない。
さすが、この手の映画(骨太の人情ドラマ?)を得意としているスコセッシ監督だけのことはある(上から目線・・・)。

 

ディカプリオも頑張っていたのだが、この映画で一番印象的だったのはダニエル・デイ・ルイスだった。
だてに3回もアカデミー主演男優賞を取ったわけではないなあと感心させられる。

 

やがてアムステルダムはふとしたことで知り合った女スリ師のジェニー(キャメロン・ディアス)に惹かれていく。
キャメロンも、男社会の中で生き抜いているしたたかな女性、それでいてアムステルダムの前では可愛い女性、と好演していた。
彼女もただラブ・コメにばかり出ていたわけではないのだな。

 

さあ、アムステルダムの復讐劇はどうなるのか?
彼の素性を知る者の告発でビルにも裏切り者と言われてしまう。私刑にあってしまう。
もう復讐なんて忘れましょと彼の身を気遣うジェニー。
それでも、くそ、親父の仇を取らずにいられようか!

 

ときは南北戦争の激化のころ。ニューヨークの街では大規模な徴兵忌避の暴動が起こる。
暴徒が走り回り、軍隊が出動して暴徒に無差別攻撃をかけるような大混乱となっていく。
その中でアムステルダムはビルと一対一の対決に臨むのだ。

 

仇であるはずのビルがただの悪役ではなく、アムステルダムを見込んで可愛がってくれていた人物というところが物語に陰影を与えていた。
もちろんダニエル・デイ・ルイスの好演あってこそだが。

 

一大ドラマを観たという満足感に浸った。