2023年 94分 アメリカ
監督:ロバート・ロドリゲス
出演:ベン・アフレック、 アリシー・ブラガ
これは現実? それとも仮想? ★★★★
4年前に公園で目を離した隙に娘が行方不明になってしまった刑事ローク(ベン・アフレック)。
それ以来、神経を病んでしまった彼はカウンセリングも受けている。
医師の指示に従って脳内風景を彷徨うローク。
この辺りからこの映画は現実と幻覚が曖昧な感じで描かれ始める。
今映っている映像は、現実、それとも誰かが脳内で思い描いている光景?
これは本腰を入れて観ないといけない作品だな。面白くなりそうだぞ。
監督はロバート・ロドリゲス。えっ? 「シン・シティ」や「マチェーテ」を撮った監督だよね。
個人的にはもっとハチャメチャな映画を撮る人だと思っていたので、本作の真面目な完成度にはびっくりした。
ロークは娘の行方の鍵を握っていそうな男を追う。
しかしその男デルレーンは“絶対に捕まらない男”と呼ばれていた。なんでも彼は催眠術の名人で、他人の脳をハッキングして意のままに操れるのだという。
なんだ、そりゃ? 無敵のはずだ。
ロークは協力してくれる占い師のダイアナ(アリシー・ブラガ)と一緒にデルレーンに立ち向かう。
え~と、彼女は信用していいんだよね?
原題は「催眠」。・・・でもこれでは中身に一直線過ぎる。
邦題の「ドミノ」は、政府の秘密作戦名であり、ロークが長いドミノを倒す場面もあるし、こちらの方がよかった。
物語に仮想現実と現実が入り混じる。しかもそれが幾重にも折り重なっている。
えっ、これも***ならば、あれは何だったんだ?
何? どこまでが仕組まれていたんだ?
物語の解釈を始めると、それこそいくらでも書きたいことがあらわれる。
でも、ネタバレは絶対に映画のおもしろさを損ねるのでこれ以上は書けない。
とにかく観ている者は混乱すること間違いなしの映画。
作品の時間が約1時間半と短めだったのは好かった。これ以上長かったら疲れ切っていたと思う。
(以下、ネタバレ)
そう、クリストファー・ノーランの「インセプション」をはじめとするいくつかの作品、そしてフィリップ・K・ディック原作の「トータル・リコール」あたりが好きな人だったら、この映画は大変に楽しめる。
まさかロ-クの奥さんが・・・。まさか行方不明になった娘が・・・。
なんや、「マトリックス」の脳内世界まで参考にしているやないか。
こんなに面白いのに、世間の評価はもうひとつのよう。どうして?