2021年 カナダ 105分
監督:ニール・ブロムカンプ
出演:カーリー・ポープ
SFミステリー? ★★☆
監督はあの「第9地区」や「チャッピー」といった意欲作を撮ったニール・ブロムカンプ。
「エリジウム」はちょっと凡庸だったが、この異色SFスリラーと銘打った今作はどうなのだろう?と、鑑賞。
主人公のカーリー(カーリー・ポープ)は、放火、大量殺人で服役中の母が昏睡状態に陥っていることを知る。
かつて看護師だった母だが、20年前のその事件を契機にカーリーは母と絶縁状態になっていた。
母が保護されている医療施設を訪れたカーリーは、医師から、母の意識へとつながる仮想空間に入って母と話をしてほしいと頼まれる。
なに、仮想空間の中で意識不明の人と話をする? なんともすごい設定となって物語が展開される。
医師の説明によれば、母の脳内にあるものを仮想空間へ呼び込み、そこへ入り込んだカーリーの意識と接触させるのだとのこと。
頭に電極のようなものを付けたカーリーの意識は、記憶にある故郷の家にいた。
家の奥の部屋には、若かった頃の母が座っていた。
そして、すぐにここから帰りなさい、貴女を危険な目に遭わせたくない、と言う・・・。
仮想空間はカーリーの歩みに従って周りの風景が作られていくといった感じ。
記憶の中の風景なのだなという雰囲気を上手く出していた。
このあたりの前半での展開はつかみ所としてOKだった。
それにカーリーに接触してきた医療施設の医師が、どこか怪しい言動を投げかけてくるところも、後半への布石となっていた。
この医師、何をもくろんでいる? ただの医師じゃないな。
一度は仮想空間から戻ってきたカーリーは、幼なじみのサムやマーティに相談したり、助言を受けたりする。
しかし今度はサムが行方不明になってしまったり、マーティが長い間調べていた不思議現象が現実味を帯びてきたり・・・。
後半になると、母が過去に起こした犯罪の真相が次第に明かされていく。
(以下、ネタバレ)
おいおい、これはSFと言いながらオカルト映画だったのか?
あの怪しげだった医師の正体はそういうことだったのか。
で、おいおい、これはゴーストバスター映画だったのか?
ということで、前半は好かったのだけれども、途中から物語は変な方向に曲がって行ってしまった。
どんどんと映画のテイストが変わっていくので、観ている者はついていくのに大変。
退屈することはなかったのですが、結論は、ニール・ブロムカンプ監督、どうしちゃったの?です。