あきりんの映画生活

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「グラディエーターⅡ」 (2024年) 力と名誉と

2024年 148分 アメリカ 
監督:リドリー・スコット
出演:ポール・メルカス、 デンゼル・ワシントン、 コニー・ニールセン

スペクタクル史劇。 ★★★

 

リドリー・スコット監督が24年ぶりに撮った続編。
前作でラッセル・クロウが演じた主人公マキシマスの名前が大きな意味を持っている設定。
というのは、本作の主人公が・・・。コニー・ニールセンは同じ役で出演。
前作を観ていなくても特に困ることはないが、観ていればその世界観がより身近になるだろう。

 

ローマ帝国軍の将軍アカシウスの軍の侵攻により愛する妻を殺された男ルシアス(ポール・メルカス)。
おのれ、アカシウスめ。必ず妻の仇を討つぞ。
しかし敗残した彼は奴隷の身なのだ。さあ、この境遇からどうする?

 

本作でも奴隷の身だった主人公が剣闘士となり、コロッセウムでの戦いを続けながらローマ帝国に反抗していくという設定。
骨太の男の物語りで、色恋沙汰はなし。
代わりに母子の愛情が根底を流れる。

 

ルシアスは、マクリヌスという奴隷商人(デンゼル・ワシントン)にその能力を買われて、子飼いの剣闘士となる。
儂も昔は剣闘士だったのだ。そこから這い上がってきたのさ。

 

コロッセウムでの戦いは迫力満点だった。
もちろん剣闘士同士の殺し合いがあるわけだが、妙な怪獣のような獣と闘ったりもする。
コロッセウム一杯に水を張って本物の軍船を浮かべて海戦をおこなっていたのには驚いた。
実際にこんなことをおこなった記録も残っているようだ。へぇ~。

 

映画は面白かったのだが、いささか不満だったのは主役俳優さん。
決してポール・メスカルが悪いというのではないのだが、前作でのラッセル・クロウの男ぶりがあまりに見事だったので、どうしてもそのイメージを求めてしまうのだ。
そのせいか、カリスマ性というか、発散しているオーラというか、そんなものが弱く感じてしまったのだ。

 

代わりに存在感があったのはデンゼル・ワシントン
もう少し早く彼の年齢が合う年代に本作が作られていたら、彼がグラディエーターを演じていたかもしれない。
悪役なのだけれども、ニヤニヤ笑いがどこか親しみを感じさせてしまう。
凄い俳優だね。お見事。
(彼が演じたマクリヌスは、史実でも本当に皇帝になってしまった姦物だったようだ)

 

それにしても、カラカラとゲタの双子兄弟(双子という割に全く似ていない)が皇帝なのだが、この2人が全くの性格異常者でただただ気持ち悪い。
暴君というよりも、脳までやられてしまっている重症の麻薬患者のようである。
(前作でマキシマスはちゃんとした皇帝を擁立したのではなかったっけ? それなのにどうしてこんな者が皇帝になった?)

 

一大アクション史劇として充分に見応えのある映画だった。
最後の方では主人公とアカシウスとの一騎打ちもある(アカシウス自身は決して悪人ではなかったのだが)。
やはりこういう映画は大画面、大音響が好いなあ。