
2003年 92分 韓国
監督:イ・グァンフン
ファンタジー・ホラー。 ★☆
紀元前57年にヒョクコセが朝鮮半島に建国した新羅が舞台。
彼が対立部族の長アウタを神の剣によって倒したのだが、アウタから流れ出た血は湖を造った。
と、ここまでが前説。湖のほとりに突き立てられた神剣はアウタの呪いを封じていたのだ。
さて1000年後。
新羅を治めていたのはジンソン女王。そして女王の信任を一身に受けた将軍ビハランは各地で奮闘していた。
強いぞ、将軍ビハランは。ジンソン女王が頼りにするのも無理はない。
この戦闘場面だが、まあ、えぐい。
ビハランが刀を振れば敵の首は飛び、腕が切り落とされる。
思い浮かぶのは漫画の「キングダム」。映画も大ヒットのあの原作漫画は実はかなりえぐい。
王騎将軍や信が大矛を振るえばいくつもの首が宙を舞っていた。
まるでその実写版である(映画になった「キングダム」にはそれほどえぐい描写はない)。
この映画、えぐいのだがまるでリアル感がないのが救いか(苦笑)。
ジンソン女王は、女としてビハランに惹かれており、しきりにモーションをかける。
しかしビハランには、村で暮らすジャウンビという純朴な恋人がいたのだ。
いくら女王様に言い寄られても、私の心はジャウンビ一筋でございます。
傍目にはジンソン女王は大人の魅力を備えたかなりの美形。
こんな美女に言い寄られて、しかも女王だし、恋仲になってもいいんじゃね。
かたやジャウンビは地味目の垢抜けない少女。可愛いには可愛いのだが・・・。
(私だったら女王様を選んでしまうかも。)
ここで急展開。ビハランが戦いに出かけているあいだに、おそらくは女王に命じられた粗野な兵士2名がジャウンビを殺しに来る。
しかもそのうちの一人はジャウンビを手込めにしようとする。
必死に山中を逃げるジャウンビ。ふと手に触れた剣を引き抜いてしまい、そして追い詰められた崖から湖に飛び込むのだ。
さあ、ここからは史劇ファンタジーだったこの映画は超能力ホラーとなっていく。
ジャウンビが抜いてしまった剣がアウタの呪いを封じていたのだった。剣を抜いてしまったものだから、呪いが解き放たれてしまったぞ。
湖の中で滅ぼされた1000年前の族長アウタの霊に取り憑かれたジャウンビ。
湖から出てきた彼女が暴れまくる。
兵士などまるで相手にならない。手の一降りで何人もの兵士が吹っ飛んでいく。
それに彼女はもう死んでいるのだし、いくら兵士たちの刀や弓をもってしてもどうすることもできない。
女王に助けを求められたビハランだが、彼はどうしてもジャウンビを攻撃できない。
霊に取り憑かれたとしても姿形はジャウンビだし・・・。
ああ、なんとかして呪いを解かなければ。
ビハランはどうする? そしてこの不死身の(といっても、もう死んでいるのだけれど)少女はどうなる?
もっとちゃんとした(?)歴史ものアクションかと思って観始めたら、あれあれ、これは私の苦手なホラーものではありませんか。
92分と短めだったので、あまりの荒唐無稽さに呆れながらも、なんとか鑑賞完了しました。