あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「リザとキツネと恋する死者たち」 (2014年) やたらと人が死ぬファンタジー映画

2014年 ハンガリー 98分
監督:ウッイ・メーサーロシュ

メルヘン? ホラー? ★★

 

タイトルも変だし、中身も変なハンガリー映画
奇妙な日本趣味が彩っているファンタジー映画? それともコミカル・ホラー映画?

 

ブタペストに住む30歳のリザは、日本の恋愛小説が大好きな孤独な独身女性。
そんな彼女の友だちは、彼女にしか見えない日本人歌手、トミー谷(このネーミング、トニー谷をもじった?)。
彼が歌う昭和歌謡のような妙な歌(発音が悪くてよく聞き取れないが、日本語で歌っているようだ)に合わせて踊るリザ。
変な映画だなあ。

 

画面はパステル調の色合いで、メルヘンっぽい絵柄。
そしてヒロインは自分だけの世界で夢みる女性。
とくれば思い出すのは「アメリ」。お国がフランスからハンガリーに変わるとこうなる?

 

そんなリザには、どうもキツネが憑いているようなのだ。
日本の狐憑きの伝説そのままに、リザには呪いがかかっているのだ(トニー谷も幽霊なのか?)。
そのために、彼女に好意を抱いた周りの男たちが次々と死んでいく。あれ?

 

日本びいきの監督が日本を訪れたときに、那須に伝わる九尾の狐伝説を知ったとのこと。
そこから想を広げて作りあげた物語のようだ。
で、出来上がったのは、死神憑依のホラー・コメディだったわけだ。

 

リザ欲情した男たちが次々に死んでくのだが、その死に方がとても馬鹿馬鹿しいものばかり。
親切に、画面では”何人目”といってカウントもしてくれる。
あまりに馬鹿馬鹿しい死に方なので、次はどんな死に方するんだろうと楽しみになるぐらい。

 

やがて、リザに好意を持ってくれて、同じ部屋で暮らすようになって、それでも死なないでいる不死身の刑事が登場。
あか抜けない木訥な感じの彼が好いアクセントになっている。
彼は後頭部に怪我をしてガーゼを当てるのだが、その真ん中だけ丸く血がにじむ。
あれ、日の丸をあらわしているんだろうな。

 

どこかもたついていて、古めかしい感じを漂わせている映画。
この独特のユーモア感覚について行けるかどうかで、映画の評価が変わることになります。

残念ながら、私はもう一つ乗り切れませんでした。
でも人によってはものすごくハマる魅力も持っている映画です。