監督：バン兄弟
出演：ニコラス・ケイジ
殺し屋の顛末。 ★☆
これまで失敗したことのない殺し屋ジョー（ニコラス・ケイジ）が、最後の仕事をしにバンコックへやって来る。いつもどおりに使い捨てにする現地の若者を金で雇い、次々に請け負った殺しをおこなっていく。
しかし、今回がいつもと違ったのは、若者に親近感を憶えて弟子にしようとしてしまったこと、それに聾唖の美しい女性に心を惹かれてしまったこと。そのためにジョーに危機が訪れる。
孤独な殺し屋ものは好きなので、少なからずの期待をもってみたのだが、残念な結果だった。
ニコラス・ケイジの微妙な感じのロンゲも似合っていなくて雰囲気を壊していたが、なによりも全体のストーリーが浅い。
冒頭にジョーが自らに課した４つのルールが紹介されていたが、さしたる理由もなくそれを無視してしまって、殺し屋としてのポリシーが全然なっていない。
「ゴルゴ13」を少しは見習って欲しいぞ。
監督のバン兄弟に、日本のMANGAを勉強しろ、と言いたいぞ。
あれだけ素顔を晒して白昼に派手な銃撃戦をおこなう殺し屋って、いるのかよ？
それで警察に捕まらない殺し屋っているのかよ？
それに、それであのラストかよ。開いた口がふさがらないぞ。
バンコックがいろいろな意味で猥雑な街だという雰囲気はよく伝わってきて、それはそれで楽しめたのだが、物語がその猥雑さを生かしたものにはなっていない。
だから舞台はいいのだが、観光映画ではないのだから、ポイントには寄与できていない。
ニコラス・ケイジも出演する映画をもう少し選んだ方がいいと思うのだが・・・。
「ウィッカーマン」とならんでのニコラスの失敗作でしょう。
