1974年 アメリカ
監督:マイケル・ウイナー
出演:チャールズ・ブロンソン
たったひとりの私設警察。 ★★☆
カージー(チャールズ・ブロンソン)は土地開発のプランを練るような知的階級の一般市民。
ところが、チンピラの強盗に妻を殺され、娘を廃人にされたことをきっかけに、街のワルをこらしめる”私設警察”となっていく。
「雨の訪問者」に続いてチャールズ・ブロンソンを鑑賞です。
この映画、言ってみれば、NY版”必殺仕置き人”。
警察がやってくれないなら自分がやってやる、という一人だけの自警団みたいなもの。
体力抜群のヒーローが活躍するというのではなく、知的階級の一般人が人知れずワルをやっつけはじめる、というところが、この作品のミソ。
はじめは、おそらく喧嘩もしたことがなかったであろうカージーが、コインを詰めた靴下を振り回しておずおずと手製の武器を試す。
いかにも争いごとには慣れていない一般市民という感じで良かった。
そして、ひょんなことから拳銃を手に入れてしまう。次第にカージーは銃の持つ威力に魅せられていく。
カージーはわざとチンピラに襲われそうな、人気のない河べりを歩いたり、地下鉄に乗ったりする。
そして襲ってきたチンピラを逆に撃ち殺していく。
そんな無名の正義の味方を”アマチュア刑事”と新聞は報道し、警察も捜査をはじめる。
しかし、その”アマチュア刑事”のせいでNYの犯罪が減ったというところは、いかにもありそうな設定。
捜査主任もなかなかの切れ者で、カージーを追い詰めていく。
しかし、彼が人間味のある好人物で、ものごとを丸く収めるためにカージーにある取引を持ちかけてくる。
なかなかいい結末ではないだろうか。
そして最後、新しい土地にやってきたカージーが、到着早々にチンピラの悪行を見て、指鉄砲で撃つ真似をするところが、にやりとさせる。
この映画、かなり人気が良かったらしく、その最後の場面を引き継ぐように、このあとも「ロスアンジェルス」とか、カージーを主演にしたシリーズとして数本が作られたようだ。
B級映画の王道を行くような作品ですが、ブロンソンの魅力で見せてくれます。