2018年 アメリカ 107分
監督:イーライ・ロス
出演:ブルース・ウィリス
必殺仕置き人リメイク版。 ★★☆
オリジナルはチャールズ・ブロンソン主演の「狼よさらば」(1974年)。原題が「デス・ウィッシュ」だった。
家族を殺傷された市井の男が武器を手にして、警察が処罰できない悪人を殺していくアメリカ版必殺仕置き人だった。
評判作となり、ポール・カージーを主役にしたシリーズは5作ぐらい作られたはず。
今回も主人公の名前は同じポール・カージー。
救急外科医の彼の幸せな家庭がある日突然に破壊される。
妻は殺され、娘は意識不明の重体状態となってしまう。
くそっ、この悔しさをどうしたらいいんだっ!
前半の物語はオリジナル版とほとんど同じにすすむ。
カージーは偶然手に入れた拳銃を持って、警察が処罰できないような悪人を殺す。
警察は人が殺されてからでないと来てくれないんだ、この思いが彼をさらに必殺仕置き人へと駆り立てていく。
オリジナル作のカージーは、始めは石を積めた袋を武器としておずおずと行動を始める。
しかし、今作のカージーは、ちゃんと始めから射撃練習をしたりして準備万全で仕事に臨む(笑)。
びしっと銃を構えたところなど、あの”世界一不幸な刑事”を連想させて、とても市井の人には見えないぞ(苦笑)。
始めのあたりにちょっと出ただけだったので気付かなかったのだが、殺されてしまう奥さん役は、あのエリザベス・シューだった。
「リービング・ラスベガス」で破滅的なニコラス・ケイジの恋人役だった。そして「バック・トゥ・ザ・ヒューチャー」の恋人役と言ったら判りやすいか。
贔屓の女優さんなのだが、あまりにも出番が少なかった。
オリジナルとの今作の大きな違いは、前作のカージーが徹頭徹尾、闇の正義感で悪人狩りをするのに対して、今作のカージーは妻と娘の敵討ちが主眼となっているところ。
どちらが良いというわけでもないが、スケールとしてはオリジナルの方が大きいか。
アメリカでは銃乱射事件が頻発して、銃規制を求める声も出てきていて、今作はあまりヒットしなかったようだ。
飛び抜けた部分はなかったが、破綻もなく、充分に楽しめた。
最後、あの”指鉄砲”の場面は、ポール・カージーには必須でしたね。