あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「Mr.デスティニー」 (1990年)

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1990年 アメリカ 110分
監督:ジェームズ・オア
出演:ジェームズ・ベルーシ、 リンダ・ハミルトン、 レネ・ルッソ、 マイケル・ケイン

もし、あのとき、ああなっていれば・・・。 ★★☆

自分の人生で、あそこが分岐点だったな、あそこでああなっていれば今の自分の人生は全く違っていたのにな、と思うことは誰にでもあるだろう。
あの時の試験で数学をもう一問正解していたら、とか、あの時の悪友の誘いを断っていたら、などなど。
だいたいは後悔している事柄で、ちょっとのことで今の自分はもっともっと良い人生を送っているはずだったのにと思う。

この映画の主人公ラリー(ジェームズ・ベルーシ)は、幸せな結婚生活、地道なサラリーマン生活をおくっているのだが、少年時代の野球大会での空振り三振を未だに忘れられないでいる。
あのとき、ヒットを打っていたら・・・、あの屈辱的な三振さえなかったら・・・。

そんな彼が、妻エレン(リンダ・ハミルトン、妻の名前はサラ・コナーではありませんよ、念のため)には誕生日を失念されているわ、会社は首になるわ、車はパンクするわ、とついていない日に立ち寄ったバーで、不思議なカクテルを飲む。
するとラリーは、あの日にホームランを打っていて、あこがれの社長令嬢(レネ・ルッソ)と結婚していて、大豪邸に住んでいて・・・。
おいおい、夢じゃないだろうか。

しかし、有頂天になったまでは良かったのだが、良くなったはずの生活はなんとなくしっくりこない。
今までの平凡な生活が懐かしく、愛おしいぞ。それに、妻のエレンも恋しいぞ。
これはニコラス・ケイジの「天使のくれた時間」と同じ発想。
とても判りやすく興味をつないでくれる。

ジェームズ・ベルーシは、トム・ハンクスのイメージと重なる感じでもあったけれど、好い感じで演じていた。
不思議なバーのバーテンダー、マイクがマイケル・ケイン。要所要所にあらわれて、ラリーに示唆を与えてくれる。やっぱり彼も”天使”だったんだろうね。

物語は二転三転して、(常道として)やっぱり三振をした少年時代のラリーに戻ってくる。
がっくりと肩を落とすラリーに、観客席からマイクが声をかける、「人生これからだ、くよくよするな」。
ラリーはうなずくものの、「じいさん、何を言ってるんだ」とつぶやく。
観ている者は”天使”の言葉が正しいことを知っているので、ニヤッとした気持ちでラリーを見送ることができる。

コメディ・タッチで気持ちよく観ることができます。
悪い映画ではありません。でも、良くも悪くもそこまでの映画、かな。
もう少しひねってもらってもよかったんだが・・・。