2006年 アメリカ 107分
監督:フランク・コラチ
出演:アダム・サンドラー、 ケイト・ベッキンセール、 クリストファ・ウォーケン
ファンタジー・コメディ。 ★★☆
ドラえもんに出てくるような、時間を操れる万能リモコンでドタバタするコメディ。
とてもベタな展開で、結末も完全に読めてしまうような物語。
でも、結構面白い。退屈することはなく、それどころか、見終わって、ああ、よかったねと思えるところが素晴らしい。
設計士のマイケル(アダム・サンドラー)は美しい妻ドナ(ケイト・ベッキンセール)と2人の子どもに恵まれながらも、仕事人間で家庭を顧みない。
そんな彼が時間を操れる不思議なリモコンを手に入れる。
人間誰しも嫌な時間は過ごしたくない。楽しい時間だけを過ごしたい。そりゃあそうだ。
するとどうするかというと、嫌なことをしている時間は不思議リモコンで早送りをしてしまう。
奥さんとの口げんかの時間は早送り、子どもの面倒くさいお守りの時間は早送り。会社で昇進するための努力の日々も早送り。
(あれ、人生、早送りばかりになってしまうぞ・・・。)
望み通りにあっという間に月日が流れて、次に気がついたときには会社は自分のものに。
大金持ちで、おまけに超メタボの自分になっていた(笑)。
幼かった子ども達も立派に成人している。
すべて、めでたし、めでたし?
でもねえ、達成感はないよねえ。
なんだかあまりめでたい気分になれないなあ。
おまけに、あれ、最愛の妻は他人と結婚してしまっているぞ。いつの間に? そんなこと、知らなかったぞ。
知らないうちに父親は亡くなっていたぞ。早送りだった自分は、父に酷く冷たい仕打ちをしてしまっていたんだ。
ああ、なんたることだ。
最後のオチは誰でもが思うようなもの。
でも、それでいながら見終わったあとの満足感はちゃんとありますから、佳作です。
教訓:人生、いろいろな厄介ごとも面倒くさがってはいけません。それが人生を豊かにしてくれるんです。
余談:
主人公の2人の子どもですが、ダスティ・ホフマンの息子と、ジャック・ニコルソンの娘だそうです。
お父さんに似てる? 私はまったく気づきませんでした・・・。