1978年 イギリス 140分
監督:ジョン・ギラーミン
出演:ピーター・ユスティノフ、 デビッド・ニーブン、 ジョージ・ケネディ、
ミア・ファロー、 オリビア・ハッセイ、 ペティ・デイビス
A.クリスティのポワロもの。 ★★★☆
「オリエント急行殺人事件」は超豪華な出演者だったが、この作品も負けじと豪華な顔ぶれ。
今回の被害者は、莫大な資産をもつリネット。
彼女は親友だったジャクリーン(ミア・ファロー)の恋人を横取りして結婚し、エジプトへハネムーンにやって来ていた。
ナイル・クルーズをする豪華客船には、そのジャクリーヌはいるわ、彼女の財産を狙う叔父はいるわ、彼女に訴訟を起こされた作家はいるわ、なにやかやで、もう大変。
乗り合わせた人達がみ~んな殺害の動機を持っている。どんだけ人に恨まれた被害者だったんだ(笑)。
さて、リネットが死体で見つかる。
クルーズに乗り合わせたポワロ(ピーター・ユスティノフ)と、親友の大佐(デヴィッド・ニーヴン)が犯人捜しをおこなうという設定。
クルーズの船の中なので、外部から侵入した者による流しの犯行はありませんよというわけだ。
これはオリエント急行などとも同じお約束(笑)。
ポワロが調査していくと、リネットに恨みを持つ者は誰でも殺人を行える可能性があるようにみえる。
しかし、一番に疑いをかけられる立場のジャクリーンだけは犯行を行うことが不可能だった。
さて、犯人は?
ミア・ファローは、恋人を取られた恨みでストーカーまがいにつきまとう役柄。
頬がこけて少し腺病質な雰囲気を持つ彼女なので、これはイメージにぴったりだった。
オリビア・ハッセイを久しぶりに見たけれど、あの「ロメオとジュリエット」のときの可憐さから清楚な美しさに変わっていた。きれい。
原作は中学生か高校生の頃によんだはずなのだが、内容はすっかり忘れていた。
だから、犯人は誰か?と興味深く観ることができた。
もっとも、2/3のあたりで、こりゃ犯人は***だなと思ったら当たってしまっていた。
しかし、トリックはわからなかったので、ポワロの推理には感心したよ。さすが名探偵だ。
ひとつだけ、疑問を。
神殿の柱の上から石を落とすのは、あの真犯人に実行可能だった?
ま、そんなことは、いいっか。
エジプトの風物も背景にはあって、140分の長尺ですがまったく飽きることはなく楽しめます。