あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「8人の女たち」 (2002年)

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2002年 フランス
監督:フランソワ・オゾン
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、 ファニー・アルダン、 リュディヴィーヌ・サニエ、 イザベル・ユペール 、 エマニュエル・ベアール 

舞台劇のような、ミュージカルのような。 ★★☆

クリスマス・イヴの日に起きた、雪に閉ざされた大邸宅での殺人事件の映画を。
8人の女性だけが登場する作品だが、この女優陣全員にベルリン国際映画祭銀熊賞が授与されている。へぇ~。

ナイフで背中を刺され死んでいる一家の主マルセルが発見される。外からの侵入形跡はない。電話線は切られ、雪で外部との連絡は絶たれている。
屋敷に居合わせたのは8人の女たち。互いの詮索が始まり、次々と彼女たちの秘密が暴露されていく。全員が疑心暗鬼を募らせていく。
さて、犯人は誰だ?

この映画の魅力は、なんといっても8人の個性あふれる女優の共演。
舞台劇を元にしており、場面はほぼひと部屋の中だけで推移する。
そしてミュージカル仕立てである。それほどがんがんに歌って踊るわけではなく、要所要所で1人ずつが歌い始める。ちょっと唐突、不自然(苦笑)。
フランソワーズ・アルディあたりが歌いそうな歌曲が多かった。

殺された主人の妻にカトリーヌ・ドヌーヴ。おお、懐かしい。しっかりと太めの体型になっていた(笑)。
そのドヌーヴおばさまが、次女役のリュディヴィーヌ・サニエの歌に合わせていきなり踊り始めたのには仰天。すごいものを観てしまった(苦笑)。

そのサニエは、同じオゾン監督の「スイミング・プール」ではランプリングと張り合う奔放な少女を演じていたが、ここでは一番まともな役柄だった。
一番キレていたのは、叔母役を演じた怪優イザベル・ユベール。
とにかく印象的。色気も何にもないヒステリーおばさんが、途中で大変身をする。この映画、コメディかよ(ま、そんな要素もあるのですが・・・)。

トリュフォー監督の最後の恋人だったファニー・アルダンは、殺された夫の妹役。で、職業はストリッパーということになっている。
途中でドヌーヴとすごいことをやらかしてくれる。この映画、コメディかよ(苦笑)。

一番のお気に入りはメイド役のエマニュエル・ベアール。たしか「ミッション・インポッシブル」でトムの相手をしていたはず。
きりりとしていて、クール。

さて、肝心の殺人事件だが、犯人当てとか謎解きとか、そんな本格ものを期待してはいけない。
この映画、あくまでも8人の女優の会話劇を楽しむ映画。
互いの追求で、それぞれが取り繕っていた表の顔がしだいにはぎ取られて、皆が秘密をかかえていたことが明らかになってくる。

ゆるい感じで楽しみましょう。
サスペンスものを期待してはいけません。最後も、舞台劇だと思って観ましょう(笑)。