あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです(苦笑)。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。

「夕陽に赤い俺の顔」 (1961年)

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1961年 日本 82分
監督:篠田正浩
出演:川津祐介、 岩下志麻、 炎加世子、 平尾昌晃

日本のヌーベルバーグ。 ★★☆

脚本が寺山修司だと言うことで観た。
寺山は、早稲田大学在学中から天才歌人と言われ、のちに劇団「天井桟敷」を率いて小劇場運動の一翼を担い、すばらしい映像の映画、「田園に死す」「さらば箱舟」などを撮っている。
この映画のときは未だ25歳ぐらいだったはず。

8人の奇妙な殺し屋と、正義の殺し屋(?)がドタバタと繰り広げるシュールなナンセンス映画。
突然、登場人物が歌い始めるというミュージカル風な試み(というよりは、のちの小劇場で演じられたお芝居風の歌である)もしている。
こんな映画をあの篠田正浩が撮っていたとは驚く。

”下町殺し屋クラブ”の面々は、ピストルや狙撃銃、匕首などを堂々と手にしながら街中を闊歩し、派手なオープンカーにてんこ盛りで乗って殺し屋の歌を歌う。
一応の筋立てはあるのだが(競馬場で腕を競い合うところが、競馬好きだった寺山らしい)、まあ、そんなものはどうでもいい、という感じ。

斬新な映画を作ることを目論んだのだろう。
50年以上前の作品なので、当然のことだが、出演者もみな若いし、街並みもファッションも走っている車もみなノスタルジックに感じられる。

殺し屋のなかには、当時はロカビリー歌手だった平尾昌明がやさ男で怪演しているし、大島渚監督の映画によく出ていた炎加世子もいる。
他には、渡辺文夫、小坂一也など。悪役で西村晃もでている。

同じ頃の大島渚吉田喜重が政治的、社会的視野での問題を投げかける作品を撮っていたのに比べ、篠田はその位置からは離れたところで撮っている。
その性格の違いが面白い。
篠田正浩の妻になったのが岩下志麻であり、吉田喜重の妻になったのが岡田茉莉子
ふたりの女優のイメージも、それぞれの監督の作品のイメージを帯びているようで面白い。

傑作とかいう代物とはほど遠い作品だが、楽しく見終えた。
この映画の翌年には、同じ篠山、寺山コンビで「涙を、獅子のたて髪に」を撮っている。
NHKでの放送を録画してある。これも観なくては。